今回はヒルスシロカブトの飼育方法についてご紹介します。
ヒルスシロカブトの基本情報
ヒルスシロカブトってどんなカブトムシ?
ヒルスシロカブトは、中央アメリカに生息する、背中の模様やフサフサした毛が特徴的なカブトムシです。体長は大きいもので90mmほどになります。
飼育は比較的簡単な部類に入ります。同じシロカブト属の他の種の中には、卵でいる期間が6か月程にも及ぶものもいますが、ヒルスシロカブトは1ヶ月程度で孵化します。成虫になりエサを食べ始めてから、交尾・産卵が可能になるまでの期間も2か月程度と比較的短い種になります。幼虫飼育期間は12か月程度となります。
ヒルスシロカブトを手に入れたら
ヒルスシロカブトの成虫は、飼育ケースにハスクチップの様なものを敷いて、昆虫ゼリーを与えておけばOKです。飼育ケースは大きめのほうがベターです。
ヒルスシロカブトの基本情報 まとめ
1.中央アメリカに生息している
2.卵の期間は1か月程度
3.成虫の交尾・産卵開始も早め
ヒルスシロカブトの飼育に挑戦!
この項ではいよいよ本格的な飼育についてご説明します。流れとしましては
1.産卵
2.割り出し
3.幼虫飼育
4.蛹化・羽化
こんな感じになります。ではさっそく参りましょう!
メスに卵を産ませてみよう!産卵セットの組み方
▼成虫の成熟を確認する
産卵セットを組む前に、成虫の成熟具合を確認する事が必要になります。
成虫がエサを食べ始めたかどうかを確認してください。食べ始めていれば、交尾や産卵が可能な「成熟した状態」である可能性が高いと考えられます。
▼使用するもの
・飼育ケース(大きめ)
・発酵マット(完熟マットがおすすめ)
・ハスクチップ
・昆虫ゼリー
▼産卵セットを組む手順
1.飼育ケースLサイズの5割くらいまで完熟マットを敷く
2.そのマットを固める(手や道具を使い上からギュウギュウ押しつける)
3.その上から2割程度同じマットを入れる(押し付けない)
5.新聞紙をあいだにはさんでフタをする
産卵セットの準備はこれで完了です。
ヒルスシロカブトの交尾
これに交尾済のメスを投入し無事に産卵をしてくれる事を祈ります。メスが潜っている時間が増えてきたら期待度大です。
▼交尾から産卵のポイント
1.産卵セット時の温度は25℃くらいに設定します(重要)。
2.交尾はハンドペアリングがおすすめです。
↓ハンドペアリング参考ページ
クワガタの交尾とは?飼育をする時に役立ちます。
卵や幼虫を確認してみよう!割り出しのやり方
割り出しは大きめのタライの中や、新聞紙を敷いた上などに飼育ケースの中のマットをそっと撒け、中に居る卵や幼虫を取り出します。
メスをセットしてから3週間~1ヶ月程度を目安に行うとよいでしょう。
1回目の割り出しで卵や幼虫が確認できた場合は、再度産卵セットを組みメスを投入します。
1回目の割り出しで卵や幼虫が確認できなかった場合は、オスメスを再度交尾させてから、新しい産卵セットを組みメスを投入します。
2回目以降の産卵セットを組む際は、マットが劣化してなければそのまま同じマットを使用し、劣化している場合は1回目と「同じ種類」の「新しい」発酵マットを使うとよいでしょう。
【メスを産卵セットに投入 → 3週間~1ヶ月程度経過後に割り出し】のサイクルを数回行うとよいでしょう。
・卵で取り出した場合の管理方法
卵の段階で取り出した場合には、卵用のセットを組んで幼虫まで育てる方法があります。
産卵セットに使用したものと「同じ種類」の「新しい」マットをケース底面に10cm位固く敷き詰め、そこに卵が入るサイズのくぼみをつけて卵を落しこみます。
卵を穴に入れたら、その上にマットをふんわりと2~3cmほどかぶせ、水分が飛び過ぎないように保湿シートや新聞紙などで調整してフタをしてセット完了です。
ここでポイントとなるのが温度管理です。産卵セットを組んだ時と同様に、25℃くらいの温度管理を行います。この温度帯のキープはとても重要です。
セット後の管理中にコバエが発生しマットに変色が見られる場合は、マットを全交換するとよいでしょう。マットが乾燥している場合は、マットを一度取り出して加水を行うとよいでしょう。
幼虫飼育の開始
無事に幼虫が採れたところで、いよいよ飼育がスタートします。ポイントさえ押さえれば難しい事はありません。ヒルスシロカブトはマットでの飼育が可能です。なお飼育可能な温度帯は16~28℃程度です。
【幼虫期間の目安】
16~28℃前後の温度管理をした場合、12か月程度となります。
※期間はおおよその目安となります。
マット飼育(きのこマットがおすすめ)の場合は、飼育ケースSサイズまたは1400cc程度の大き目の空ボトルにマットを詰めて幼虫を中に入れればOKです。
幼虫が食べ始めて中身が減ってきたら交換します。
蛹になったら
幼虫は蛹の時期が近付くとエサを食べる速度が落ち始めます。
蛹になり始めた事がビンの側面から見え始めてきたら、そこからは羽化するまで安静にしておきましょう。ほじくり返したりする事はおすすめではありません。
蛹の期間はそっとしておく我慢の時期となります。
羽化に成功したら
蛹の期間を経ていよいよ羽化します。ビンやケースなど容器の中で羽化をしますが、羽化して成虫の体になっても自力でマットの中から出てくるまで待っててあげましょう。
ヒルスシロカブトのブリードに挑戦 まとめ
1.産卵セットには完熟マットがおすすめ。底面から5割程度を固く詰める
2.飼育ケース内から幼虫が見え始めてきてから割り出しを行う
3.幼虫飼育はきのこマットがおすすめ
4.幼虫飼育の管理温度は16~28℃程度
5.羽化したら自力で出てくるまで安静に見守る
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