外国産クワガタの飼育記事が続いておりましたので、今回は外国産カブトムシの、
アトラスオオカブトの飼育についてです。3本角のカブトムシのブリードに挑戦してみましょう!
アトラスオオカブトってどんなカブトムシ
アトラスオオカブトの基本情報
アトラスオオカブトはフィリピンやインドネシアなど東南アジアに主に生息しているカブトムシです。分類ではアトラスオオカブト属(カルコソマ属)に属しており、コーカサスオオカブトなどと同じグループになります。近年ではホームセンターや動物メインのペットショップなどにも置いてある事もあり、外国産のカブトムシの中では最も身近に感じる種類と思われます。結果、初心者の方でも、飼育を行った経験のある方も多いかと予想されるカブトムシです。
アトラスオオカブトの特徴
アトラスオオカブトの特徴としましては、やはり3本の角にあると思います。一般的な国産のカブトムシを基準に考えますと、やはり最大の特徴と言えます。そして背中の部分の光沢にも特徴があります。カルコソマ属という名ももどうやら金属のような光沢という意味合いがあるようです。最後に脚です。特に前足が他のカブトムシと比べますと長いです。もちろん個体差もあるのでしょうが、体との比率で見てみましても一目瞭然です。
そしてその気性の荒さも特徴といえます。
ちなみに、同じカルコソマ属のコーカサスオオカブトも同じく3本の角を持っておりますが、アトラスオオカブトとの違いで言いますと、
頭角部分の突起の有無があります。コーカサスオオカブトには頭角に突起があり、アトラスオオカブトにはありません。そこも特徴の一つと言えると思います。
アトラスオオカブトに関しましては月虫の別の記事でも書いておりますので是非とも参照してみて下さい。
参考記事;アトラスオオカブトをご紹介!名前の由来は「天空を支える怪力男」
アトラスオオカブトってどんなカブトムシ まとめ
1 主に東南アジアに生息している
2 近年ではホームセンターなどでもで販売されている
3 角は3本、背中には光沢、前脚が長い
4 ♂の気性は荒い
アトラスオオカブトに卵を産ませてみよう
成熟の確認
では早速アトラスオオカブトの飼育・産卵を開始します。まずは成熟の確認が必要となります。アトラスオオカブトが野外採集のものでしたら、そのまま産卵も可能です。ですが飼育下のものでしたらその場合は成熟の確認が必要です。飼育下のカブトムシやクワガタをご購入される場合はどちらとも共通して言える事としましては、羽化日(成虫になった日)を必ず確認してください。そして昆虫ゼリーなどのエサを既に食べ始めているか否かも可能でありましたらご確認下さい。
現在の流通では、アトラスオオカブトの場合ですと、そのほとんどが野外採集のものである事が多いです。ですので事実上既に成熟していると見なしても支障はないと思われます。まれに飼育下のものを手に入れる機会のあった方は成熟の確認が必要となります。昆虫ゼリーを食べ始めて2週間もすれば成熟している可能性もありますので、同居生活をさせてもOKかと予測されます。
同居生活と産卵セットの組み方
まずは同居生活ですが、飼育ケースSサイズに薄めにハスクチップなどを敷き、コンチュウゼリーと転倒防止材を入れて、あとは成虫の♂と♀を入れておけばOKです。1週間~10日もすれば交尾完了と見なしてよいと思います。より確実に交尾を行わせるにはハンドペアリングがオズズメです。ハンドペアリングに関しましては、別の記事でもご紹介をしておりますので、そちらの記事も参考にしてみて下さい。
参考記事;ヘラクレスオオカブトの飼育!迫力満点のヘラクレスの飼育に挑戦しよう!
無事に同居生活期間が過ぎましたら、いよいよ産卵セットの作成です。作り方はこのようになります。
飼育ケースLサイズにマットを7分目まで敷き詰めまして、上から手で押しつけるなどして、固めます。この時使用するマットは、完熟マット・黒土マットがオススメです。そうしましたら同じマットをさらに上から2~3cm程入れます。このときは固めずにややふんわりと入れる感じです。そうしましたら昆虫ゼリーと転倒防止材を入れておけば完了です。このようになります。
この産卵セットの中に成虫の♀を投入します。産卵セットに使用します飼育ケースのサイズですが、基本的には大きければ大きい程多く産卵する傾向があります。ですので、どれほどの卵を産んでほしいかによりまして使用するケースを変えていきます。あまり多くの卵を産んでも、飼育しきれない場合などはLサイズより小さめのケースでも全く問題はありません。
産卵・割り出し
産卵セットに♀を投入しましたら、2ヶ月間くらい様子を見ます。こまめに採卵(卵を採取)したい場合は2~3週間ごとに産卵セットの中身を確認します。幼虫になったら割り出しを行いたい方は2ヶ月間様子をみている感じで良いと思います。こまめに採卵される場合はその都度産卵セットを組み直さなければなりませんが、より多くの卵をゲットできる可能性が広がります。
幼虫割り出しの場合は、飼育ケースの側面に幼虫が見え始めましたら割り出しを行います。取り出した幼虫はプリンカップなどに入れて個別にて管理を行います。ひとまずは、産卵に使用したものと同じマットにて飼育を行います。
アトラスオオカブトに卵を産ませてみよう まとめ
1 近年は流通しているアトラスオオカブトは野外採集ものが多い
2 飼育下のアトラスオオカブトの場合は成熟の確認が必要
3 産卵セットにオススメのマットは完熟マット、黒土マット
4 産卵セットに♀を投入後は2ヶ月程度様子をみる
5 こまめに採卵を行う事もできる(その都度産卵セットを組み直す)
アトラスオオカブトを羽化させよう
幼虫飼育の開始
幼虫が大きくなってきましたら、クリアボトルなどの容器に入れ替えまして飼育を継続します。使用するマットも栄養価の高い、きのこマットなどに変更する事もオススメです。幼虫期間は、個体差や♂♀、管理温度によりましても異なりますが、だいたい11カ月~12ヶ月が目安となります。管理温度はだいたい25℃前後を目安にしてみて下さい。
容器の中にフンが目立ち始めましたらマット交換を行います。そうしながら幼虫の成長を待ちます。より大きな成虫を目指したい時などは、クリア容器から飼育ケースSサイズなどに変更する事も良いかと思います。
サナギになったら
幼虫の飼育をおこなっていきますとやがて幼虫が蛹化してきます。以前はこの頃にマットに赤土や黒土を敷くと角の大きな成虫が出易いと言われていた事もあったようですが、月虫では基本的には最後まで発酵マットでの飼育を行っております。それでも充分に大きな個体は目指す事ができます。そしてサナギになります。アトラスオオカブトは蛹室を横に作りますので、蛹化前に幼虫の中でも特に大きく育ったものに関しましては、飼育ケースSサイズに入れ替えておく事も有効かと思われます。
サナギになったアトラスオオカブト
幼虫がサナギになりましたら、むやみに動かしたり、マットをほじくり返したりせずに安静にしておいて下さい。羽化するまでじっくり待ちましょう。この時も幼虫飼育同様に25℃前後の温度管理でOKです。
そして最後は羽化をして成虫になります。羽化したての成虫も自力で動き始めるまでは安静にしておいて下さい。羽化したての成虫はエサも食べません。ですので昆虫ゼリーなどのエサの減りが悪くてもあまり気にする事はありません。
羽化した成虫はカブトムシ愛を持って飼育をしてあげて下さい。国産では見られない3本の角のカブトムシの羽化です。流通量も多く、手に入り易い種類とはいえ、感慨深いものがあります。大切に育ててあげましょう。
アトラスオオカブトを羽化させよう まとめ
1 幼虫飼育はきのこマットがオススメ
2 管理温度は25℃前後
3 大きな幼虫はクリアボトルから飼育ケースSサイズに変更するのも良い
4 発酵マットのみで羽化を目指しても充分に大型は見込める
この記事でご紹介したアイテム
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>アトラスオオカブト
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>コーカサスオオカブト