クワガタやカブトムシの成熟とはなにか!飼育をするときに重要です!

オオクワガタ ペア カブトムシ成虫飼育・産卵

成熟とは何か

成熟とは何か

今回のテーマはカブトムシやクワガタの成熟についてです。よく聞かれるこのキーワードですが、カブトムシやクワガタにおいての成熟とはそもそもどういう事を指すのでしょうか。

一言で言いますと、「交尾や産卵(♀の場合)が可能になる状態の事」と言っても良いと思われます。
要するに♂であれ♀であれ、子孫を残す事ができるようになる事です。

カブトムシやクワガタはサナギになった後に羽化します。羽化した時点で成虫といえば成虫になります。ですが成虫とはいえ羽化直後の成虫は、仮に羽や体が固まっていたとしても、昆虫ゼリーなどの吸って食べるエサをすぐには食べ始めるわけではありません。とある期間を経た後に食べ始めます。この事を後食(こうしょく・ごしょく)と言います。エサを食べ始める事を後食開始などと言ったりします。最初のうちはやや小食ですが、やがてたくさん食べ始めるようになります。エサを食べるという軸で考えますと、このような状態が成熟した状態とみなされます。

もちろん昆虫達と会話をする事はできませんので、人間側が勝手に判断する以外にないため、何かの軸で判断するほかありません。上記の場合ですと、羽化後の成虫のエサを食べる量(食欲)という軸で判断を行った場合という事になります。その他にも色んな軸で考えることができますが、それは後ほどご紹介致します。
ひとまずは、

成熟した状態=交尾・産卵が可能になり、子孫を残す事ができるようになった状態

という事で宜しいかと思われます。

ヒルスシロカブトの交尾

未成熟の場合の不具合とは

カブトムシやクワガタの飼育において、とりわけ交尾・産卵となりますと、最も重要視されている項目が成熟の確認といっても過言ではありません。ではなぜ成熟の確認はそれ程重要なのでしょうか。未成熟の場合だとどのような不具合があるのでしょうか。

1 発情が来ない(結果、交尾しない)
2 交尾しないため産卵もしない
3 仮に交尾・産卵を行ったとしても、生殖能力に欠けるため無精卵になり易い(♂の無精子もある)

簡単に列挙しますと上記にようになるかと予測されます。

ですので、有精卵を産ませるという事を目的とした場合、目的を達成できない可能性が高い(成熟済の成虫に比べ)という事が予測されます。この事を考えますと、やはり卵を産ませ無事に孵化させようと考えた場合には成熟の確認は最重要項目になる、と考えられます。

さらに上記以外でも♂の♀殺しというものも存在します。特に外国のヒラタクワガタの未成熟個体のそれは深刻で、あえて必要以上に成熟期間を取るブリーダーの方も多くおります。やはり成虫個体の成熟の確認はとても大切なわけです。

未成熟のスマトラヒラタクワガタは♀殺しも心配
スマトラオオヒラタクワガタ

成熟したか否かの見極め方

では成熟の確認とはどうすればよいのでしょうか。
最初にもご説明しました通り、カブトムシやクワガタに聞くことができない以上、何かしらの軸で基準を見つけて販売するより他ない事が現実です。

1 昆虫ゼリーなどの成虫としてのエサの食いが良くなる(食欲軸)
2 活発に歩き始める(行動軸)
3 羽を広げて飛ぶようなしぐさを頻繁に見せる(行動軸)
4 羽化日から逆算して検討をつける(時間軸)

こんな感じになるかと思います。このうち4に関しましては、仮に成熟までの期間に関する予備情報を持っていたとしましても、できる限りこれのみでは判断せず、ほかの1~3(特に1)との複合で確認することがオススメです。
このような方法で成熟したか否かを判断し、それ以降の飼育に活かしていきます。

ゼリーを食べるオオクワガタ

成熟とは何か まとめ

1 成熟とは交尾・産卵が可能になり、子孫を残す事ができるようになった状態
2 未成熟個体では無事に有精卵を産み、孵化させられる確率は下がる
3 未成熟の場合、特に凶暴なクワガタの場合は♂による♀殺しも充分ありえる
4 成熟の確認には食欲や行動、時間などの軸で考える事ができる

成熟期間について

カブトムシとクワガタでは成熟期間は違うのか

ではカブトムシとクワガタでは成熟までの期間に差は違いはあるのでしょうか。
実はこの事に関しましては、カブトムシやクワガタの種類によってもまちまちです。例えば国産カブトムシに関しましては、後食開始後2週間も経過していれば、成熟したとみなしたとしてもさほど問題はありません。ですが同じカブトムシでもティティウスシロカブトなどではそうはいきませんし、同じ国産でもオオクワガタなどもそうはいきません。ですので成熟までの期間は種類にってもまちまちなのが現実です。

成熟までの期間が早い国産カブトムシ
カブトムシ

羽化してから成熟するまでが早い種類と遅い種類

では羽化してから成熟するまでが早い種類のものとと遅い種類のものはどんな種類があるのでしょうか。その前に羽化~成熟までの段階を簡単にご説明致します。

1 羽化する(蛹から脱皮)
2 体や羽が固まってくる
3 体は完成したが昆虫ゼリーなどのエサは食べていない
4 昆虫ゼリーなどのエサを食べ始める(後食開始)
5 食欲も増し活動も増えて成熟する

上記のような流れになります。3は時に休眠期間とも捉えても良いかもしれません。
ちなみに一般的な成熟期間の表記方法としまして、「後食開始後○○か月」などと言われる事があります。これは4~5までの期間という事になります。

この項では主に3~5の期間の長い、短いというテーマです。

成熟が早い種類の代表例としましてはまず、国産のカブトムシが挙げられます。
後食開始後1~2週間で成熟したとみなされることが多いです。その他に早いと言われている種類では、国産ではオニクワガタ、外国産ではパプアキンイロクワガタやメタリフェルホソアカクワガタ等が挙げられます。

成熟までに時間を要する種類では、国産ではオオクワガタ、ノコギリクワガタ、ミヤマクワガタなどが挙げられます。外国産ではホペイやアンタエウス、メンガタメリーなどが挙げられ、カブトムシでは先ほども名前が出ましたティティウスシロカブトなどになります。

国産ミヤマクワガタなどは、羽化しても実際は休眠期間のような期間もあり、成熟までには時間がかかります。ですので3~5で言いますと3の期間も含んだ結果、成熟までには6~8か月以上かかるという事になると思います。

休眠期間も含め成熟までに時間のかかるティティウスシロカブト
ティティウスシロカブト

同じく成熟までに時間を要するメンガタメリー
メンガタメリークワガタ

成熟期間に個体差はあるのか

では同じ種類でも成熟までに差が出る事はあるのでしょうか。実際の飼育経験則で言いますと、個体差は存在するのではと考えられます。この場合、個体差もさることながら大いなる要因としましては、飼育環境の差に起因すると予測されます。特に温度管理の要因が大きいと思われ、例えば低温飼育を行った場合とやや高温で管理を行った場合とでは、低温管理の個体の方が活動自体も控えめになり、成熟するまでに期間を要する傾向がみられます。こう考えますと、成熟という概念は、あくまで体の成長具合であり、単なる時間の経過というものとは別物と捉えるほうが正解なのかもしれません。

成熟までが早い国産オニクワガタ
国産オニクワガタ

成熟期間と成虫寿命に関連はあるのか

最後は成熟まで要する期間と成虫の寿命(成熟後~寿命)の関連性についてです。月虫の見解では関連性はあると考えております。成熟期間が長い種類は成虫寿命も長く、またその逆も然りという事です。これはあくまでも傾向でして、そうではない種類も存在するのかもしれませんが、多くの種類にはこういった傾向が見受けられます。逆に考えますと、成虫寿命が短いからこそ早めに成熟し、子孫を残す能力を身につけなければならない、とも考えられると思います。確かに国産カブトムシと国産オオクワガタで考えますと、国産カブトムシの成虫寿命では国産オオクワガタのようにじっくり成熟を待ってはいられません。子孫を残す能力が身に付く前に寿命を迎えてしまう事になります。こう考えますと、各々のライフサイクルに応じて成熟までの期間でありその後の寿命というものがあるのだと考えても良いのかもしれません。

成熟期間も長いが寿命も長い国産オオクワガタ
オオクワガタ
成熟期間について まとめ

1 羽化後、成熟までに要する期間は種類によって異なる
2 成熟までの期間は個体差や飼育環境によっても変わる事がある
3 成熟後の寿命が短い種類は、成熟までに要する期間も短い傾向が強い
4 3はその逆も然りという傾向が強い

この記事でご紹介したアイテム

月夜野きのこ園クワガタ菌床販売部にてご購入頂けます
国産クワガタ成虫
外国産クワガタ成虫
外国産カブトムシ成虫
昆虫ゼリー

オオクワガタ 世界のクワガタ・カブト紹介

カブトムシ 世界のクワガタ・カブト紹介

タイトルとURLをコピーしました