クワガタやカブトムシの飼育難易度とは!?どこに違いがあるのか!

ローゼンベルグオウゴンオニクワガタ カブトムシ飼育

飼育難易度とは!?

飼育が容易とはどういう事か

このクワガタの飼育は簡単だ。初心者でも大丈夫。このような事はよく聞く言葉ですが、ではこの場合の簡単だ、容易であるとはどういった意味になるのでしょうか。簡単だったり難しいとはどういったことで判断されるのでしょうか。

あくまでも月虫の見解ではありますが、飼育が簡単とは、おそらくこういった事かと思われます。

1 成虫飼育が簡単(一般的な成虫寿命と同程度に長生きさせる事が簡単)
2 産卵をさせる事が簡単(一定数産ます事ができる)
3 幼虫飼育が簡単(一般的な期間で羽化までこぎ着ける事が簡単・羽化率も良い)

こんな感じかと思われます。

上記を実現し易ければ簡単、しづらければ困難、こういった見解です。

初心者向けの外国産種 メタリフェルホソアカクワガタ
メタリフェルホソアカクワガタ

飼育が難しい理由は何なのか

では前章の3項目におきまして、実現が難しい(飼育が困難)といった場合、その理由は一体何なのでしょうか。境界線のポイントはどんな事が挙げられるのでしょうか。

月虫の見解では主にこういった理由をポイントにしております。

1 環境管理の設定の選択
2 エサの設定

これが主たるポイントと予測しております。
もちろんこれ以外でもあるのでしょうが、月虫では一旦はこの2点に絞って考えてみようと思います。

まずは環境管理ですが、要するに温度管理がそのほとんどです。飼育する種類の本来生息している温度帯に、いかに合わせた環境を作ってあげる事ができるかという事になるかと思います。これは単純に地図上の北緯とは違い、標高などもかかわってきます。平地か高山かでは気温(体感温度)はずいぶんと違います。もちろん日本国内でも雑木林の中や標高の高い山は、平地よりもずいぶん涼しく感じます。
この温度管理に関しては、成虫飼育、産卵、幼虫飼育から羽化まで、ほぼ全ての成長過程においてかかわってくる項目といっても過言ではないでしょう。

次にエサですが、これは幼虫飼育だけでなく産卵にも関係があると月虫では踏んでおります。まずは幼虫飼育ですが、エサとは住み家でありエサでもある菌糸やマットの事です。何で飼育するかによって大きな差が出ます。例えば国産カブトムシを菌糸のみで最初から最後まで飼育を行う事は決してオススメではなく、適切なマット(きのこマット・完熟マット)で飼育する方が良いでしょうし、もちろんその逆の種類もあるでしょう。使用するエサの判断を間違えてしまいますと、幼虫を無事に羽化させる事も困難なものになってしまうと考えられます。

そして産卵ですが、先ほど幼虫飼育のエサはその前の産卵の時にも関係性があるとご説明致しました。これはあくまで月虫での予測ではありますが、それはこういった事です。

成虫の♀(親虫)は自分が産んだ卵が孵化し、やがて無事に羽化できる場所を選んで産卵を行っているのでは、との予測です。
もしそうだとしますと、♀が無事に多くの卵を産んでくれた場合は、その環境やエサとなるもの(産卵用マットや菌糸・材)が幼虫の生育に適切と判断した、という事になります。ですのでその産卵に使用した用品や環境は幼虫飼育にもある程度は適している。こういう事になります。あくまでも月虫の見解ではありますが、こういった考え方もできなくはないと思います。

飼育が難しいとされているエラフスホソアカクワガタ
エラフスホソアカクワガタ

セミ化とは

クワガタやカブトムシの幼虫飼育におきまして、幼虫のセミ化と呼ばれるものがあります。これは俗語と言いますか、いわゆる業界用語と言っていいかもしれません。
どういう事かと言いますと、セミの幼虫のようにクワガタやカブトムシの幼虫期間が長くなってしまっているといった状態の事を言います。幼虫の成長が遅く、またはストップしてしまっている状態です。要因として考えられるのは、やはり環境やエサかと思われます。セミ化してしまった幼虫は羽化率も通常のものより低く、最後は幼虫のまま死んでしまう事が多く、まさに避けたい事態です。途中から適正なエサに切り替える等しますと回復する場合もありますが、多くは残念な結果になってしまうようです。こういった事も考えますと、やはり環境管理・エサの選定は飼育においては大変重要と言えます。

幼虫のイメージ この幼虫は成長しているが、セミ化した幼虫はここまでに至らない事も多い
幼虫イメージ

飼育難易度とは!? まとめ

1 飼育が簡単とは既存の方法で成虫飼育・産卵・幼虫飼育・羽化までこぎ着ける事ができる事
2 飼育が難しい理由は虫たちの好む環境やエサがハッキリしていない事が多い
3 エサや環境を間違えると時に幼虫がセミ化してしまう事もある

飼育難易度の高い種類と低い種類のご紹介

カブトムシ編

ではこの項では具体的に、飼育が簡単な種類と困難な種類についてご紹介したいと思います。まずは簡単な種類ですが、やはり国産カブトムシが挙げられます。日本国内で飼育を行う以上、環境もマッチしており、またきのこマット・完熟マットなど、既存の用品で飼育もできるため、初心者の方が初めて挑戦する種類はやはり国産カブトムシで良いかと思われます。

逆に難しい種類ですが、サイカブトの中のパンカブトなどが挙げられます。特に産卵が難しくあまり産んでくれないようです。エサなのか環境なのかはハッキリとはわかりませんが、なかなか困難を極めるようです。結果、幼虫飼育を経験する事も少なく、未知な部分も多い種類ではあります。

飼育が容易なカブトムシはやはり国産カブトムシ
国産カブトムシ

クワガタ編

ではクワガタの方はどうかと言いますと、まずは簡単な種類で言いますと、やはりこちらも国産で、国産オオクワガタ、国産コクワガタなどが挙げられます。理由はカブトムシと同様です。やはりそう考えますと環境というものは重要だと考えられます。難しい種類としましては、ブルークツヤクワガタ、ゾンメルツヤクワガタなどがおります。やはり最初は産卵が課題となります。そのほか有名なものではエラフスホソアカクワガタなども未だに上級者向けと言われております。クワガタは種類そのものが多いため、飼育困難な種類はきりがないほど存在すると予測されます。

飼育が容易なクワガタの代表格 国産オオクワガタ
国産オオクワガタ

初心者と上級者に飼育の違いはあるのか

初心者向け、上級者向け。
では初心者と上級者ではなにが違うのでしょうか。初心者向け、上級者向けとは何なのでしょうか。
この事に関しましては、もちろん培った経験やテクニック・裏技などといったものもあるのでしょうが、基本的には環境に対する考え方や理解、そして実践、こういった事が大きいのかと思われます。クワガタやカブトムシは生物としましては、初心者の人の家へ行っても、上級者の人の家へ行っても基本的には同じです。という事はその後に差が出ているという事です。その種類の飼育に関しまして最低限の知識を要し実践すれば、初心者でも上級者でも極端な差は出ないのでは、と月虫では考えております。

飼育難易度の本質とは

ここまで飼育の難易度について考えてきましたが、飼育難易度とは何なのでしょうか。
別の記事で以前にオウゴンオニクワガタの飼育について書いてみましたが、現在このクワガタは、いわゆる飼育困難な種類とは特には言われておりません。ですがほんの15年も以前は飼育困難種と言われておりました。なぜ今は飼育困難ではなくなったのでしょうか。この15年間で、多く産卵し幼虫もすくすく育つクワガタに進化したのでしょうか。
答えはもちろん違いまして、それは飼育者の多くが、
オウゴンオニクワガタの産卵や幼虫飼育に、カワラタケ菌糸やレイシ菌糸が有効である事を発見したからです。

多少の優劣こそあれ、クワガタやカブトムシには、産卵し易い又はしづらい、幼虫がよく育つ又は育ちづらい、こういった事には大した差はないのかもしれません。あくまでも飼育をする人がその特性を熟知しているか否か、その知りえた知識を飼育で実践しているか否か、ただそれだけのように思えてくる事もあります。
もちろん前述しました通り、上級者の方の経験やテクニック・裏技や時に勘なども重要な要素である事に間違いはありません。ですがその本質はやはり、その種類の生育における特性や環境を知っていて実践できているか否かとも思われます。

そう考えますと、今後も多くの熱心なブリーダーの方々によって、多くの事が解明され、飼育困難と呼ばれる種類は減少していく、そんな可能性もあるかなとも予測されます。

かつては飼育困難種と言われていたオウゴンオニクワガタ
ローゼンベルグオウゴンオニクワガタ

飼育難易度の高い種類と低い種類のご紹介 まとめ

1 飼育が簡単なのはクワガタ・カブトムシともにやはり国産
2 飼育が難しいとは、飼育の方法が判明していないだけ、とも取れない事もない
3 今後は飼育困難な種類は減っていく!? 可能性もある

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