冬場の飼育はどうしたらいい?
冬場に飼育を楽しむには?
日本の虫は元々四季のある環境に適応しているため、氷点下になる冬でも乗り越えることができます。
ただし、
外国産の虫を冬場に常温で飼育した場合、一部の例外を除いた多くの虫が環境に適応できず、動きが悪くなったり死亡してしまうことがあります。
冬場に外国産の虫の飼育を行う場合、温度管理をする事が必要になります。
1部屋丸ごとエアコンで管理することができれば、それに越したことはありませんが、コストが割高になってしまうことや、家族の理解を得るのが難しいこともあるかと思います。
そこで今回の記事ではエアコンを使わずに温度管理をする方法として、
1.冬場に温度を保つ工夫
2.発泡スチロール温室の作り方
3.メタルラック温室の作り方
の3点をお伝えしたいと思います。
1.冬場に温度を保つ工夫
・日当たりの良い部屋の日影に置く
日中に日差しが入り、部屋全体が比較的暖かくなる場所に置く方法です。ただし日差しを直接当てるのはNGなので、日影になる場所において下さい。一度温度計を置いてその部屋がどれ位の温度になるか計ってみるのも良いでしょう。
・保温性の高い箱に入れて管理する
飼育容器を棚の上でそのまま置くのではなく、ダンボール箱や発泡スチロール箱など保温性の高い容器に入れて管理する方法です。箱の内側の隙間に新聞紙や綿などを入れても良いでしょう。
・保温性の高い素材で巻く
菌糸ビンや飼育ケースなどの飼育容器に、プチプチや薄手のアルミマットなどの保温性の高い素材を巻いて、冷気が直接当たらないようにする方法です。衣装ケースなどの大きな箱に飼育容器をまとめて入れ、その周囲に巻いても良いでしょう。
冬場の飼育 まとめ
1 外国産の虫は冬場の温度管理が必要
2 エアコン以外の温度管理方法がある
3 暖かい部屋に置く(直射日光はNG)
4 保温性の高いものに入れる
簡易温室を作ってみよう!
簡易温室の作成では、熱源の確保と保温性を高めることがポイントになります。これだけ押さえることができれば、工夫次第で色々手作りする事が可能です。
世の中には様々な素材を使用したものが見られます。今回はその中から、少ない頭数を飼育する場合を想定した「発泡スチロール簡易温室」と、もう少し規模の大きい「メタルラック簡易温室」をご紹介したいと思います。
2.発泡スチロール簡易温室の作り方
【用意するもの】
発泡スチロールの箱 × 3個(同じサイズ)
金網 × 2個(箱に収まるサイズ)
電気あんか × 1個
アルミシート × 1枚
【手順1 上段用と中段用の底面をくり抜く】
3個の発泡スチロールの内、2個(上段用と中段用)の底面をカッターでくり抜き、キャンプ等で使用するバーベキュー用の金網をおきます。
【手順2 下段用にコードを通す穴を開ける】
残り一つは下段用になるので底面をくり抜く必要はありませんが、熱源のコードを通すための穴を横面の下部に開けます。コードの穴の隙間部分は切り取った発泡スチロール部分を少し小さくして再度はめ直すとよいでしょう。
【手順3 下段用にアルミシートと熱源を入れる】
保温効果を高めるためのアルミシートを下に敷き詰め、熱源を置きコードを外に出します。
【手順1~3のおさらい】
3つそろうと以下のようになります。
後は重ねて、中段と上段の箱の中に飼育する虫を置き、上段にフタをしたらセット完了です。
この温室は小さいのであまり多くの虫は置けません。また電気あんかは比較的弱めの熱源であるため、外気温が低い場合には内部の温度を十分に保てなくなる場合もあります。置く場所を選ぶなどして適温になるように調整しましょう。
3.メタルラック簡易温室の作り方
【用意するもの】
・メタルラック:150cm(中古)
1個 ¥2,000
・フォーム(上下面&背面)
1枚 ¥800
・養生プラダン(左右側面&背面)
2枚 ¥360(@¥180)
・ビニールカバー(前面)
1.8m ¥380
・プレートヒーター(中古)
1個 ¥3,000
・サーモスタット(中古)
1個 ¥1,000
・ファン:小型扇風機(中古)
1個 ¥300
・室内外用温度計
1個 ¥1,500
総合計金額 ¥9,340(※参考価格です)
※上記は中古品も活用した参考金額ではありますが、1万円以内に収まりました。ご自宅で使っていないものや中古品をフル活用できればもっと安くできるかもしれません。ぜひお試しください。
では、材料についてひとつづつ細かく紹介していきます。
※今回ご紹介の材料は実際の物とは一部異なるものもあります。あくまでも参考画像としてご覧ください。
一番下に熱源となるヒーターを入れますので、その熱がスムーズに上に上がるように棚板は隙間のあるものが良く、メタルラックは適任といえるでしょう。
発泡スチロール製の住宅用断熱材の板です。通常の発泡スチロールでも良いですが、住宅用のフォームはきめが細かく保温効果も高いのでおすすめです。今回は上面、下面、背面のみに使用しましたが、全ての面を覆ってもOKです。
断熱材の価格としては他の材料に比べて高めになりますが、その分保温効果も高いので費用と効果のバランスを考えて選ぶと良いでしょう。
薄く柔らかめの断熱素材です、今回は左右側面に使用しました。上記のフォームと比べると保温効果では多少劣るかと思いますが、同じ大きさで価格は1/5程度で済むのが魅力です。費用と効果のバランスを考えて選ぶと良いでしょう。
のれんのようにして前面のカバーとして使用しています。ほぼ透明なので中の様子がある程度見えるのも良いですね。
暖房管理の必需品です。今回ご紹介するものは250Wのものになります。150cmメタルラックの容量であれば十分に温めてくれます。温室用に使用するヒーターとしてはとても使いやすいタイプです。
温度調整の必需品。ヒーターを設定した温度でオンオフできるので、暑くなったらオフ、寒くなったらオンというように、自動で管理してくれる優れものです。
ヒーターで温められた空気は上に上がりますので、放っておくと温室内はどうしても上部の温度が高くなります。扇風機を使用して温室内の空気を循環させることでほぼ均一な温度に保てるようにします。
【室内室外温度計】
室内室外温度計のページを見る>
長いコードのあるセンサーで温室の内部と同時に外気温も計る事が出来る優れものです。
温室も使う場所によって状況(温度)が変わってきますので、その様子を見ながらオリジナル温室を作成すると良いでしょう。
丈夫で便利な温室を作り、冬の寒さを乗り越えましょう!
※これらの温室作成方法はあくまで参考例として見ていただければ幸いです。
簡易温室 まとめ
1 簡易温室を作ってみよう
2 ポイントは熱源と保温性
3 少規模なら発泡スチロールで
4 中規模ならメタルラックで
この記事でご紹介したアイテム
月夜野きのこ園クワガタ菌床販売部にてご購入頂けます。
>室内室外温度計