クワガタの産卵の方法は!?用品と管理について学ぼう!

トラグルスノコギリキャッチ クワガタ飼育

今回はのテーマはズバリ、クワガタの産卵についてです。一言にクワガタの産卵と言いましても、国内外含め多くの種類のクワガタがおりますので一筋縄ではいきません。
そのクワガタの産卵に関しましての記事となります。

クワガタは何に卵を産むのか

マット産卵の種類

まずはクワガタは何に産卵するのかという事で、マット、菌床、材とありますが、その中のマット産卵を行う種類についてご紹介致します。
日本ではヒラタクワガタ全般、ノコギリクワガタ、ミヤマクワガタなどがこれにあたります。この種類は外国のものでも同じです。その他の外国のクワガタでは、ツヤクワガタ、ホソアカクワガタの多数、と多くの種類がいます。こういった種類は野外でも、木の根元の土の部分に産卵をおこなっているのではと予測されます。孵化後に木の中に移動しているのかもしれません。

マット産卵を行うダールマンツヤクワガタ(♂)

ダールマンツヤクワガタ

菌床産卵の種類

菌床産卵を行う種類は、基本的には材産卵を行う種類の中の幾つかの種類かと思われます。国産ではオオクワガタ、海外でもオオクワガタの種類のものは菌床産卵ができるようです。ただし産卵実績ベースで考えますと、外国のオオクワガタは菌床ではイマイチ産卵数は伸びない事も多いようです。その他にはタランドゥスオオツヤクワガタやレギウスオオツヤクワガタ、オウゴンオニクワガタなども菌床産卵が可能なようです。ですが、一般的な菌床(ヒラタケ菌)では産卵は行わず、カワラタケ菌やレイシ菌の菌床でしか産まない傾向もあります。おそらく野外の木でも、こういった菌が蔓延した木にしか産まないのかもしれません。

カワラタケ菌床やレイシ菌床にしか産まないレギウスオオツヤクワガタ(♂)

レギウスオオツヤクワガタ

材産卵の種類

最後に材産卵を行う種類です。上記の菌床産卵を行う種類の他に、アカアシクワガタやフタマタクワガタなどがこれに加わります。この種類は言い方を変えますと材にしか産まないとも言いかえられるかもしれません。この他にも、材を産卵セットに入れるとより産む、といった種類もいまして、主にアフリカに生息しているクワガタ(メンガタクワガタやサバゲノコギリなど)がそれに当たります。

材に産卵を行うフォルスターフタマタクワガタ(♂)

フォルスターフタマタクワガタ

クワガタによって使う用品が違うのはなぜか

ここまで見てきました通り、クワガタによって産卵に使用する用品は違います。それは何故でしょうか。月虫の見解では、マット産卵の種類は野外では木の根元の土の中に、材産卵のものは野外では木や朽木に産んでいるものと予想されます。そういったように、産む場所が違うからこそ競合も少なく、子孫を無事に残してきたのだと予想されます。または、子孫を残す関係上産卵場所を変えてきたのかもしれません。ですので飼育下であっても結局は野外と同じ環境下により近い環境で飼育を行っている事になるのだと思います。

材でもマットでも産卵するスペキオススシカクワガタ(♂)

スペキオススシカクワガタ

クワガタは何に卵を産むのか まとめ

1 クワガタの産卵には、マット産卵 菌床産卵 材産卵とがある
2 野外においてどこに産卵するのかによって、飼育下でも使う用品が変わる
3 野外のクワガタの産卵場所が異なるのは子孫を残すため(若しくは結果)と思われる

種類によっての違い

高温管理の種類と低温管理の種類

産卵をさせる時の管理温度は種類によって異なるのでしょうか。結論をいいますと、やはり種類によって変わります。
低温管理(18~20℃)の種類としましてはミヤマクワガタ、アカアシクワガタ、オニクワガタなどです。
高温管理(25~28℃)のクワガタでいいますと、国産オオクワガタ、ノコギリクワガタ、マルバネクワガタなどです。
なぜ違うのでしょうか。おそらくこれも本来生息している地域が関係していそうです。南国と北国、平地と高地、例えば南国であっても高い山に生息している種類の場合は低温環境で生息している事になります。こういった、本来の生息地がどんな環境か、それが飼育下の環境管理にも当然影響をするわけです。

低温管理の代表格 国産ミヤマクワガタ(♂)

ミヤマクワガタオス

産卵数が多い種類と少ない種類

次に産卵数についてです。産卵数がそもそも多い種類と少ない種類はあるのでしょうか。またそれは何故でしょうか。答えとしましてはあくまでも傾向ですが、マット産卵を行う種類のクワガタは産卵数が多いです。逆に材産卵を行う種類は産卵数が少ないです。一体何故でしょうか。あくまでも憶測の域を超えないのですが、天敵の多さが関係しているのではないかと思います。

マット産卵を行う種類=野外では木の根元の土に産卵、
と仮定した場合、土の中にはやれモグラだのイノシシ等の哺乳類だのと数多くいます。
材産卵を行う種類=野外では木は朽木に産卵、
と仮定した場合の木の中と比べると、土の中のほうが天敵も多いのかもしれません。
もちろん木の中で生きている幼虫にもキツツキやコメツキムシの幼虫等の天敵はおりますが、土の中の方がより危険が多いのでは、との予測です。
マット産卵を行う種類=幼虫の天敵が多いために多く産卵する。月虫の見解です。

比較的に産卵数の多いダイオウヒラタクワガタ(♂)

ダイオウヒラタクワガタ

産ませ易い種類と産ませづらい種類

最後に産ませやすい種類とそうでない種類は存在するのかという事です。これは完全に実績ベースのお話になってしまいますが、どうやら差があるようです。
産ませやすい種類としましては、オオヒラタ系のものやノコギリ系(アフリカのものを除く)、ニジイロクワガタなどが挙げられます。産ませづらい種類としましては、ツヤクワガタの一部(フェモラリスツヤクワガタなど)とマルバネクワガタ系の種類です。
理由はハッキリとはわかりませんが、おそらくこれも本来の生息地の環境などにより、そういった特性なのか、若しくは本来の生息地と似た条件を準備しづらいのか、どちらかが要因かと思われます。

産卵をさせやすいトカラノコギリクワガタ(♂)

トカラノコギリクワガタ

種類によっての違い まとめ

1 産卵時の管理温度の高い低いは本来の生息地の環境によって変わる
2 産卵数の多い少ないは マット産卵=多い 材産卵=少ない 傾向あり
3 産ませやすいものとそうでないものはある

産卵についてのその他あれこれ

産まなかった場合のその原因

クワガタの産卵セットを組んだものの産卵をしなかった。こんな事もよくあります。初めての方にとっては理由もわからず産卵そのものがハードルの高いものと感じられてしまいます。では産卵に失敗してしまった場合、その要因は一体何なのでしょう。考えられる事を幾つかあげてみたいと思います。

①クワガタの本来の生息地域の環境と飼育の環境が合っていない。
これは先述したとおり、クワガタは産卵用品であり温度管理であり本来の生息地域になるべく合わせた管理を行う事が必要です。

②親虫の未成熟(親虫がブリードものの場合)
これもクワガタ・カブト問わず重要です。しっかり成熟をさせてから交尾・産卵を行いましょう。

③親虫自体の病気や累代飼育における血の混濁障害
病気に関しましては野外ものブリードもの問わずですが、血の混濁障害に関しましては主に親虫がブリードものに関して起こりうる障害です。

親虫の死亡

産卵時又は産卵直後に親虫が死んでしまう事があります。これはどういった事が原因なんでしょうか。これもやはり未成熟と血の問題が多いようです。累代飼育もやりすぎますと、混濁障害や虚弱体質のとなってしまうようです。

産卵材を使用すると良く産んでくれるメンガタクワガタ(♂)

メンガタメリークワガタ

産卵のポイントは何だ

これまで色々とご説明をさせて頂きましたが、最後にクワガタを無事に産卵させるための重要ポイントをまとめてみたいと思います。

①親虫の成熟(主にブリードもの)
②本来の生息環境になるべく合わせた、用品使用と環境管理
③しっかりとした交尾の成功

やはりこの3つに尽きると言えます。
これを踏まえまして、多くの種類に挑戦してみて頂きたいと思います。

この項に関しましては、これをまとめとさせて頂きます。

この記事でご紹介したアイテム

月夜野きのこ園クワガタ菌床販売部にてご購入頂けます。
完熟マット
黒土マット
Basicクヌギブロック
E-Block
N-カワラblock
ナラ材
クヌギ材
オウゴンオニクワガタ
国産オオクワガタ
国産ノコギリクワガタ
国産ミヤマクワガタ
ニジイロクワガタ

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