ミヤマクワガタの飼育【基礎編】飼育からブリードに挑戦してみよう!

ミヤマクワガタオス クワガタ飼育

今回はミヤマクワガタの飼育について書かせて頂きます。ミヤマクワガタといえば、見た目もカッコよく、多くのファンがいるクワガタです。その憧れのミヤマクワガタの飼育に挑戦してみましょう。

ミヤマクワガタの基本情報

ミヤマクワガタってどんなクワガタ

ミヤマクワガタのミヤマとは、漢字では深山と言いかえられて、山奥という意味だそうです。この言葉の通りミヤマクワガタは標高の高い山間部で多く見られます。♂の場合は大きいものでは70mmを超えるものもあり、見た目は充分貫禄があります。生息地域は一部の南西諸島などの地域を除き、ほぼ日本全土に生息しております。

ミヤマクワガタの特徴

ミヤマクワガタの最大の特徴は♂の頭部にある耳状の突起です。大型の個体ほど顕著です。また♂には体表に褐色の細かな毛が生えている事も特徴の一つです。
主要の国産クワガタの中では珍しく、♂の大アゴの内側にギザギザとした大きな突起が付いている事も特徴です。

ミヤマクワガタオス

ミヤマクワガタの基本情報 まとめ

1 標高の高い山間部で多く見られる
2 一部の地域を除き国内のほぼ全域に生息している
3 ♂の東部には耳状の突起と体表には褐色の毛が生えている
4 ♂の大アゴの内側にはギザギザとした大きな突起がある

ミヤマクワガタのブリードに挑戦

さていよいよ憧れのミヤマクワガタのブリードに挑戦です!
キーワードは温度管理です。

♀に卵を産ませてみよう!産卵セットの組み方

産卵セットの前に、成虫が当然必要となります。野外採集の♀をお持ちの方は、いきなり産卵セットに入れてしまうのでもOKですが、飼育下の成虫を購入された方の場合は交尾が必要です。交尾を行うには成熟しきっていないと難しいため、しっかりと成熟した事を確認してから同居をさせる事が必要となります。

・・・・・野外採集の♀をお持ちの方・・・・・

産卵セットに♀のみを入れます。産卵セットの作り方は以下の通りです。
飼育ケースLサイズの7分目くらいまで黒土マット(又は完熟マット)を敷く
②そのマットを固める(上から手でギュウギュウ押しつける)
③その上から2~3cm程度同じく黒土マット(又は完熟マット)を敷く(押しつけない)
④転倒防止のために止まり木と昆虫ゼリーを置いて置く
⑤新聞紙を間にはさんでフタをする

上記のように産卵セットを作り♀を中に入れます。

この時に温度管理が必要ですが、温度は16℃~20℃をキープします。※重要です!
夏場などに如何にしてこの温度をキープするのかが課題となります。

※上記の産卵セットが一式揃った物がこちらです↓カブトムシ専用とありますが、ミヤマクワガタの産卵にも威力を発揮します。

カブトムシ専用 産卵チャレンジset

ミヤマクワガタメス

・・・・・飼育下の♂♀成虫をお持ちの方・・・・・

♂♀ともに成熟している事を確認して下さい。具体的には後食(昆虫ゼリー等のエサを食べる)後3カ月経過している事を確認します。※重要です。
いきなり産卵セットにて同居はあまりオススメでなく、まずは交尾用のセットにて同居させていましょう。内容はこの通りです。

飼育ケースSサイズハスクチップを薄めに敷く
②エサを置く
③ハスクチップは多めには入れない
※ハスクチップを多めに敷くと♀が中に潜ってしまい、交尾ができなくなってしまう場合もあるからです。

このセットの中に♂♀を同居させ、1週間~10日程度しましたら、交尾完了と見なして♀を産卵セットの中に移してみましょう。産卵セットは先ほどご説明した通りのものです。ここでも温度管理はもちろん必要です。

※上記の産卵セットが一式揃った物がこちらです↓カブトムシ専用とありますが、ミヤマクワガタの産卵にも威力を発揮します。

カブトムシ専用 産卵チャレンジset

卵や幼虫を確認してみよう!割り出しのやり方

産卵セットに♀を入れましたらしばらく様子をみましょう。そして産卵セットの中に幼虫が5~6頭見え始めましたら、産卵セットの中身を確認(割り出し)してみましょう。幼虫がなかなか見えてこない場合でも、産卵セットに♀を投入後2ヶ月もすれば、割り出しを行っても良いと思います。上記の幼虫が5~6頭見え始めたらというのは、幼虫はさておきまだ卵の状態のものもあった場合、卵の管理も行わなければならずちょっと大変だからです。割り出し後の幼虫は個別にて管理していきます。

産卵セット割り出し

幼虫飼育の開始

幼虫を個別にて飼育を始めることになるわけですが、最初は産卵に使用したマットと同じマットで飼育することをオススメします。と言いますか、そうして下さい。ミヤマクワガタの幼虫の場合、いきなり栄養価の高いマット(きのこマット)などを与えると、最悪の場合は死んでしまう事もありますので、黒土マット完熟マットでの飼育となります。
幼虫が小さい頃はプリンカップでの飼育で充分です、プリンカップの中にマットを入れて、その中に幼虫を入れて飼育します。この時の管理温度は16℃~20℃です。※重要です。

幼虫飼育の後半ですが、幼虫のサイズに応じて、容器をプリンカップから菌糸ボトルに移します。おすすめの容器はPCB1100ボトルです。

先ほどきのこマットなど栄養価の高いマットで飼育を開始する事はあまり良くないと書きましたが、実はミヤマクワガタをある程度の大きさにしたい場合は、ほとんどの方が初期に使用したマット(黒土マット完熟マット)+栄養価の高いマット(きのこマット)を少しずつ成長具合に応じて、ブレンドして飼育を行っております。裏ワザです。
感じとしましては、孵化してから6カ月後あたりから、黒土マット・きのこマット7:3程度で飼育を開始して、後半は5:5まで比率を上げていく感じとなります。

もちろん最初から最後まで同じマットのみで飼育を完了される方も多いですので、それはそれで全く問題はありません。大きな成虫に挑戦してみたい方は、ブレンドしたエサを与えてみるのも面白いと思います。成長するにつれてエサであるマットも減ってきますので、そうしましたらマットを交換して下さい。
気になる幼虫期間ですが、割り出しを行ってからだいたい20か月~24カ月かかります。基本的に幼虫期間は長めです。ですが個体差もあり、小さめの成虫などは15カ月程度で羽化をした実績などもあり、まちまちです。低温管理で約2年とやや大変ですが、是非とも挑戦してみて欲しいクワガタです。

ミヤマクワガタ幼虫

サナギになったら

さて長い長い幼虫期間を経ていよいよサナギになります。エサの減り具合が遅くなり始めましたら、サナギになる頃の目安になります。サナギになり始めましたら、基本的には安静にしておいて下さい。中にいる幼虫を取り出したり、容器をゆさぶったりはせず、安静にしておきます。この間も温度は16℃~20℃と低温管理となります。

羽化に成功したら

いよいよサナギから成虫になります。長い月日を思い出します。ミヤマクワガタは羽化してもしばらくの間は、休眠期間という期間がありまして、その間は基本的にはあまり動きません。自力で活発に動き始めるまではそっとしておいてあげましょう。そして動きが活発になり始めましたら、昆虫ゼリーなどのエサを与えてあげましょう。

ミヤマクワガタの飼育、この大物は強いクワガタ愛を持って臨まないと上手にいきません。根気よくじっくりと育て上げましょう!

ミヤマクワガタオス

ミヤマクワガタのブリードに挑戦 まとめ

1 飼育下の成虫はしっかりと成熟した事を確認してから同居させる
2 野外採集の♀はいきなり産卵セットに入れてもOK
3 飼育に関する温度管理は基本的には16℃~20℃での低温管理
4 幼虫飼育は産卵に使用したマットをベースに行う
5 大きな成虫にしたい場合は栄養価の高いマット(きのこマットもブレンドして飼育する
6 休眠期間(羽化後しばらく)はそっとしておき、動きが活発になってからエサを与える

この記事でご紹介したアイテム

月夜野きのこ園クワガタ菌床販売部にてご購入頂けます。
国産ミヤマクワガタ
黒土マット
完熟マット
きのこマット
PCB1100ボトル
飼育ケースLサイズ
昆虫ゼリー

カブトムシ専用 産卵チャレンジset

ミヤマクワガタ 世界のクワガタ・カブト紹介

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