「兜虫」を読んでみた!月虫的書籍紹介

クワガタ・カブトムシ・昆虫の話題

兜虫 小檜山賢二写真集を読んでみた

新シリーズ、書籍紹介

今回は月虫の新シリーズ、書籍紹介の第一弾の記事です。
初の試みではありますが、月虫が「スゴい本だな」、「ステキな本だな」と思う書籍は
実に多くの方にご紹介したい!読んでみて欲しい!
そんな理由で新コーナーとして立ち上げました。

しっかりと本の良さをお伝えできるかどうか若干不安ではありますが、
作者様にお叱りを受けないよう(笑)、言葉を尽くしてご紹介させて頂きますので
皆さまどうかお付き合いの程よろしくお願い致します。

小檜山賢二先生によるマイクロプレゼンス

「兜虫」この書籍は写真中心に構成されており、後半に細かなご説明やご紹介などが書かれております。
ですので書籍というよりは写真集といった感じのほうが強いです。
そして、このシリーズ(カブトムシ以外にも他の昆虫のシリーズがあります)のメインテーマとして
マイクロプレゼンスというキーワードがあります。
小檜山先生によりますと、マイクロプレゼンスとは、
小さな存在(Micro-presence)を可視化して、その実態を明示、実感させる活動、
との事だそうです。
兜虫が出版される以前には、ゾウムシ、ハムシ、ゴミムシダマシなどの
比較的小さくてマニアックな昆虫たちにスポットを当てております。
兜虫はその第4弾という訳です。
確かにどんな小さな虫でも色、形、生態などは様々です。それぞれの価値が存在するはずです。
小檜山先生の考え方は、まさに月虫としましては大いに共感してしまうものだと思います。

写真集に関して

気になるその写真集ですが、実際の写真はお見せはできませんが、とてもキレイです!
基本的には白バック、黒バックにカブトムシの画像が載っております。
そのディテールはもちろん、細かな体毛、符節がクッキリ写っており、ボディのツヤには惚れ惚れしてしまいます。
カブトムシの種類によりアングルを変え、微妙にフォーカスポイントも変えており、
まさにカブトムシのカッコ良さ、特徴を全面的に伝えております。

個人的には、特に
テルシテスヒメゾウカブト、サタンオオカブトカブト、国産カブトムシが気に入ってしまいました。

テルシテスヒメゾウカブトオス

サタンオオカブト

国産カブトムシ

その他の内容

写真が一通り終わったあとは、写真で登場した各カブトムシの説明と
カブトムシの実社会における登場シーンなどについても書かれております。
まさにカブトムシの社会性と言えると思います。
ツノの役割、力強さなどの身体的な特徴なども丁寧に書かれており
写真を見た後にこういった記述を見てみますと、
実際に生息している、まさに生きた存在であることが実感されます。

感想

小檜山賢二先生は冒頭にてこんな事を書かれております。
今回のマイクロプレゼンスは、それまでとは大きく異なる昆虫をテーマにしている。
その理由は単に「好きだから」という単純なものである。

カブトムシは里山を象徴する昆虫である。という言葉から始まり
幼少期のカブトムシとの思い出を綴りつつ、カブトムシとこれからの子供たちに
対しての思いも書かれております。

子供たちにとって、カブトムシは生きた遊び相手になりうる存在であり続けて欲しい。
生き物に触り、育て、その死に遭遇することは、子供たちにとって貴重な経験であると思っている。
雑木林などでカブトムシを見つけた時のあの感激は特別で、一生の宝になり得る経験だと思う。
この感激を出来るだけ多くの子供たちに経験して欲しい。

幼少期からカブトムシを愛し、自然とふれあい、還暦を過ぎても尚その思いから覚めない、
そんな作者の情熱を感じる言葉の連続でありました。

冒頭の数ページはこういった思いの吐露も多く、
全ての写真や記述を見終わった最後にこのページを読んでみますと、
作者の思いがより実感できるような気がします。

感想というよりは作者への共感といった項目になってしましましたが、
是非ともおすすめしたい1冊であるという事は、確実だと思います。
因みに養老孟司氏も推薦されている本でもあります。

以上、初の試みでまだまだ拙さの残る書評かもしれませんが、
月虫の書籍紹介の第1弾はこれにておしまいです。

兜虫 小檜山賢二写真集を読んでみた まとめ

1 マイクロプレゼンスとは、小さな存在を可視化して、その実態を明示、実感させる活動
2 多くの種類のカブトムシがキレイに撮影されている
3 作者様のカブトムシ愛を感じる作品

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