今回はクワガタ界の暴れん坊ともいえるパラワンオオヒラタクワガタの飼育です。
スマトラオオヒラタと並んでケンカの強いクワガタです。
パラワンオオヒラタクワガタの基本情報
パラワンオオヒラタクワガタってどんなクワガタ
パラワンオオヒラタはフィリピンのパラワン島に生息しているクワガタで、ヒラタクワガタの亜種です。日本と比べ南国の島に生息しているため、寒さにはあまり強くありません。ヒラタクワガタに属するクワガタは、傾向としましては基本的には暖かい環境を好むものが多いようでもあります。
パラワンオオヒラタクワガタの特徴
パラワンオオヒラタクワガタの特徴としましては、スマトラオオヒラタクワガタ同様に、気性が荒いという事が言えます。未成熟の♂は同種の♀を殺してしまう事もあり、とても強暴です。最大の特徴としましてはその体の大きさにあり、ヒラタクワガタの中では世界最大とも言われております。当然ケンカも強く、クワガタバトルといった企画事でも大活躍をしているクワガタです。飼育そのものは比較的容易なため、多くのブリーダーの方が飼育経験を持っている種類と予測されます。
パラワンオオヒラタクワガタの基本情報 まとめ
1 パラワン島に生息している、ヒラタクワガタの亜種
2 性格は強暴で未成熟の♂は♀を殺してしまう事もある
3 ヒラタクワガタの種類では世界最大とも言われている
4 多くのブリーダーさんが飼育に挑戦している
パラワンオオヒラタクワガタに卵を産ませてみよう
成熟の確認
パラワンオオヒラタクワガタのブリードの挑戦する時に、まず大事な事が成熟の確認です。後食開始後4~6カ月を成熟の目安とする事をお勧めします。パラワンオオヒラタクワガタの交尾・産卵に関しましては、♂が未成熟の場合♀を挟んで殺してしまう事もありえます。成熟までの時間は多少長めでも良い、これくらいの覚悟が丁度よいのかもしれません。パラワンオオヒラタクワガタは寿命も短い方ではありませんので、じっくり成熟するまで観賞しているのも悪くはないと思います。
産卵セットの組み方
パラワンオオヒラタクワガタの産卵についてですが、このクワガタもマット産卵可能な種類です。材を使用しましての産卵もできますが、月虫ではよりお手軽なマット産卵を推奨します。産卵セットの組み方は他のヒラタクワガタと同じです。
飼育ケースM~Lサイズの7分目までマットを敷きつめまして、上から固く押しつけ、その上から軽く2~3cmほど同じマットを敷き、昆虫ゼリーや転倒防止材を入れておけばOKです。この時のオススメのマットは、完熟マット、黒土マットです。
産卵セットができあがりましたら、♂と♀をその中で同居させます。管理温度は23℃~25℃程度がオススメです。
この時の注意点としましてはやはり、パラワンオオヒラタクワガタの♂は先述の通り強暴で、♀殺しを行う場合もありますので、♀を挟んだりしていましたら、♂は一旦取り除き、もう少し様子を見守る方が良いでしょう。成熟期間もあくまで目安ですので、それでも成熟しきっていない場合なども考え、目視確認も必要かと思われます。
産卵・割り出し
無事に同居生活がスタートし、10日間も経過すれば、ひとまずは交尾完了とみなしても良いと思います。♂のみを産卵セットから取り出し、単独飼育にて観賞してみて下さい。
♀はしばらくの間、産卵セット内にて飼育を継続し様子を見ます。
2ヶ月も経過する頃には、飼育ケースの側面あたりから小さな幼虫が確認できると思います。その時点で幼虫を確認できなくても一旦は割り出しを行ってみるのも良いと思います。何も変化が無かった場合などは、交尾未遂の可能性もありますので、産卵セットを組み直し、再チャレンジする事になります。
割り出しにて確認できた幼虫は個別にて飼育を行います。プリンカップのような容器に幼虫を入れて、産卵に使用しましたマットにて飼育を行います。幼虫が大きくなり始めましたら、菌糸ビンにて飼育を行います。
割り出し直後の幼虫
パラワンオオヒラタクワガタに卵を産ませてみよう まとめ
1 成熟期間は後食開始後じっくり6カ月みる事がオススメ
2 産卵セットに使用するマットは完熟マット、黒土マット
3 ♂の成熟具合は目視確認も行う(♀を挟んだりしていないか等)
4 飼育ケース内に幼虫が見え始めたら割り出しを行う
5 割り出した幼虫は産卵に使用したマットにて個別で飼育を行う
パラワンオオヒラタクワガタを羽化させよう
幼虫飼育の開始
幼虫が大きくなり始めましたら、菌糸ビンにて飼育を行います。スタート時の菌糸ビンはE-1100でOKです。幼虫期間も12ヶ月くらいを目安として頂きまして、じっくり成長を待ちます。この時の温度も23℃~25℃がオススメです。幼虫の期間も♂♀、飼育温度によっても変動します。基本的には、温度やや高めで早めの羽化、やや低めで遅めの羽化となります。注意点としましては、20℃以下の低温はなるべく避けるという事です。
パラワンオオヒラタクワガタは大きなクワガタです。当然幼虫も大きくなりますので、菌糸ビン交換も発生します。大きくなるにつれて、菌糸ビンサイズを大きくする事も良いと思います。その場合はE-1400となります。その他にも、菌糸ブロックをより大きな容器に詰め替えて飼育を行う等の方法を取られているブリーダーさんもおります。一般的には、パラワンオオヒラタクワガタを飼育されている方は、100mmオーバーを狙っておられる方が多いです。幼虫時代に大きくする事に邁進しております。
サナギ※画像はダイオウヒラタクワガタです。
サナギになったら
幼虫飼育を開始してから10カ月もしますと(個体差はあります)、幼虫がサナギになり始めます。サナギになりましたら、むやみに触ったり掘り出したりはしないでください。基本は安静にしている事が重要です。サナギになった後に2ヶ月も経過すれば羽化してくると思われます。これも一般的ですが、サナギが無事に羽化してきましたら、自力で這い上がってくるまでは、放っておいてあげて下さい。自力で這い上がってきた後に、動きが活発になり始めましたら、飼育ケースに移動して昆虫ゼリーなどのエサを与えてみて下さい。
さぁいよいよ世界最大のヒラタクワガタ、パラワンオオヒラタクワガタとのご対面です。多くのブリーダーさん達が経験してきました、荒くれ者とのご対面です。最強の呼び声高いクワガタとはいえ、もちろん大いなるクワガタ愛を持って飼育して下さい。
パラワンオオヒラタクワガタを羽化させよう まとめ
1 幼虫飼育期間は10~12ヶ月(♂♀や飼育温度により変動あり)
2 菌糸ビンはE-1100またはE-1400がオススメ
3 菌糸ビン交換も何度か発生する
4 幼虫飼育温度は23℃~25℃がオススメ
5 20℃以下の低温はなるべく避ける
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