クワガタやカブトムシ飼育時の温度管理について。その方法をご紹介します!

カブトムシ飼育

温度管理はなぜ必要なのか

クワガタやカブトムシは高温に強いか

日本国内でも多くの方が誤解や勘違いをしているポイントがあります。クワガタやカブトムシは夏に活動している昆虫という事もあり、暑さには異様に強い、と思われている方も結構多いという事です。なるほど確かに真夏(30℃を超える場合もある)に活動をしているわけですから当然暑さにも強い、そう考えてしまうのが当然といえば当然です。ですが、実際はクワガタやカブトムシは雑木林などの日陰で過ごしていたり、木の皮に隠れていたりと、あまり暑くない場所で過ごしております。実際に雑木林の中に入ってみると、思った以上に涼しく、過ごしやすい気温に感じます。つまり、クワガタやカブトムシは30℃を超える暑い夏に活動はしておりますが、30℃を超える環境にはおらず、涼しい環境で過ごしているため、屋内で飼育を行う場合も30℃を超える環境では弱ってしまう事もあるという事がわかります。

野外のクワガタやカブトムシは涼しい場所にいる事が多い
雑木林のカブトムシとクワガタ

種類によってなぜ微妙に変わるのか

さてクワガタやカブトムシの飼育に際しましての温度の管理に関しまして、そもそもなぜ種類によって管理する温度は変わってしまうのでしょうか。まずはそこからご説明いたします。

簡単に言ってしまいますと、そもそもの生息地の違いと環境の違い、そして棲み分けの関係かと思われます。
まずは、どこの国で生息しているのか、この事によってもずいぶんと差が出ます。これはもちろん日本でも想像がつきます。北海道と沖縄でもずいぶん違います。
そして、環境も重要です。標高の高い山に生息している場合と平地よりに生息している場合ではこれも気温や体感温度は違います。当然標高の高い山に生息している種類は暑さにはさほど慣れておりません。そして、なぜそんなに種類によって生息地域や環境が異なるのかというと、これが棲み分けなのではないかという予測です。もし全てのクワガタやカブトムシが全く同じ環境で生活をしていれば、当然強い種類のみ生き残り、現在確認されている数多くのクワガタやカブトムシは居ないかもしれません。お互いが棲み分けた結果、現在に至ると思われます。

これだけ生息している環境が異なるわけですから、そのクワガタやカブトムシの生育環境に合わせて飼育を行おうとしますと、当然それ相応の温度管理も必要になってくるわけです。

標高の高い場所にいるクワガタは低温管理がオススメ
野外のミヤマクワガタ

夏の温度調整はどうやるのか

では具体的な温度管理方法ですが、まずは夏季の管理方法です。夏季ですので当然対策は暑さ対策となります。要するにどうしたら体感温度が下がるか、という事になります。

1 密閉空間においての保冷材での管理
2 同じく密閉空間においての冷凍水入りのペットボトル
3 タライや桶や水槽に水をを入れて、菌糸ビン飼育ケースを中に入れる
4 飼育ケースや菌糸ビンを土の中に埋める(土で包む)
5 日陰を作り扇風機で風を回す
6 クーラーで温度管理

このように幾つか対策案があります。人間で言う体感温度とは、単に気温だけの問題ではなく、熱がこもるような状態でなければ、風でも吹いていれば下がるわけです。涼しく感じるわけです。ですので扇風機で風を回すことによって、温かい空気が停滞しない状況を作るだけでも効果はあるわけです。
ちなみにペットボトルに水をいれて冷凍にする場合は水に多少の塩を入れて凍らせますと溶けるまでに時間が掛かり長持ちするこ事が多いですので是非とも試してみてください。
クーラーを使用することが一番手っ取り早いのですが、何しろお金が掛かります。それでしたら日陰にて飼育をしまして、扇風機を回し続ける方が経済的かもしれません。

密閉空間で保冷材
発砲と保冷材

水の中に菌糸ビン
水の中に菌糸ビン

冬の温度調整はどうやるのか

冬の温度管理ですが、対策方法は当然寒さ対策になります。温かい地域のクワガタやカブトムシは日本の寒さは未知の領域です。なるべく負荷をかけないように配慮が必要です。

1 発砲スチロールの箱の中でパネルウォーマー等で保温
2 同じく電気あんか、カイロ、ペットボトルにお湯を入れた物でも保温可能
3 コタツユニットなども案外利用できる
4 エアコンで温度調整

コタツユニットに関しましては最近はファンが付いているものも多く、有効です。また値段も安い物もありますので、比較的にハードルは高くないかと思われます。

要するに寒くなりすぎなければ良いわけですから、毛布で包む等の原始的な方法でも問題はありません。筆記者は依然はホットカーペットなども利用したこともありますし、全く使っていない冷蔵ストッカーに飼育ケースを入れて飼育を行った事もあります。もちろんその際には定期的な換気と保温材料を入れてあげたりしました。

発砲スチロールとパネルウォーマー
発砲の中にパネルウォーマー

夏と冬ではどちらが重要か

夏の温度管理、冬の温度管理、果たしてどちらが重要なのでしょうか。結論的にはどちらも重要なのですが、強いて言うなれば夏季の温度管理、つまり暑さ対策のほうがより重要かと予測されます。この場合の重要とは、温度管理を怠った場合に個体が死んでしまうリスクとなります。近年の夏の猛暑は大変厳しいため、その状態で放置をしてしまった場合ですと、死んでしまう可能性も十分考えられます。ですので、夏の温度管理は特に重要かと思われます。

温度管理はなぜ必要なのか まとめ

1 クワガタやカブトムシの本来の生息環境に合わせた環境を作るため
2 夏は暑さ対策、冬は寒さ対策が必要
3 夏の対策を怠ると個体を死なせてしまう場合もありえる

温度管理ができない場合

温度が適温より高くなってしまった場合

主に夏になりますが、万が一その種類に飼育の適温をオーバーしてしまった場合はどうしたらよいのでしょうか。まず気温(室温)が30℃を超える状態が数時間も続いてしまいますと非常に危険です。涼しくしてあげる事が必要です。この時の注意点としましては、急激に冷やし過ぎないという事です。30℃を超える室温から一転、10℃以下冷蔵庫の中に移してしまいますと、クワガタやカブトムシもショックを起こしてしまうのではないでしょうか。涼しくする場合は少しづつ適温まで落としてあげる事が大事かと思われます。

温度が適温より低くなってしまった場合

では冬の対策ではどうでしょうか。適温以下の状態が続いてしまった場合も同様に、少しづつ温度を上げていきます。この時も急にコタツの中に入れてしまうなど急激な温度変化は避けるようにしてください。人間が生活できる範囲の適温に戻してあげます。

温度管理を行う上での重要項目

温度管理を行う前に、知っておいた方が良い事があります。それは飼育場所の環境を把握しておくことです。部屋の日当たり、風通しの良さ、建築素材、広さ、などがそれに該当します。理由としましては熱がこもりやすい環境か否かも含めて、部屋によってずいぶんと特徴や傾向が変わるからです。それを知っておくことにより、夏と冬の温度対策も多少なりとも変化が出てくる事もあります。是非とも飼育場所の環境特性も知っておいてください。温度変化の推移などを知るには室内室外温度計なども便利です。

室内室外温度計
室内室外温度計

日本で温度管理を気にせず飼育できる外産種

では日本国内で飼育を行う際に、温度管理を行う事なしに飼育ができる外国産種はいるのでしょうか。
環境論的に述べますと、いない、という事になってしまいます。外国産のクワガタやカブトムシはその地域で生活している以上、その地域の環境に適応しているわけです。ですので日本の環境とは当然違うわけです。最も日本に近い環境ですと中国のホペイなどはそれに該当するかもしれませんがやはり完全に、とは言えないと思います。
この事は必ずしも絶対に温度管理が必要、でないと生きられないという訳ではありませんが、飼育する生体のことを考えたればこその精神です。

中にはニジイロクワガタやパプアキンイロクワガタのように比較的に温度に対する耐性の強い種類もおりますが、果たしてそれらが本当に快適な環境か否かと言われますと若干疑問が残ります。
温度管理は、生体を死なさずに長生きしてもらうための行為であり、且つクワガタ愛カブトムシ愛の賜物でもあるわけです。

ホペイ
ホペイ

温度管理ができない場合 まとめ

1 温度管理ができずに適温とちがった室温下での飼育は危険な時もある
2 温度の急な上げ下げはしない
3 温度管理はクワガタ愛、カブトムシ愛にも通ずる

この記事でご紹介したアイテム

月夜野きのこ園クワガタ菌床販売部
パネルウォーマー
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