オウゴンオニクワガタの飼育に挑戦!黄金のクワガタを育ててみよう!

ローゼンベルグオウゴンオニクワガタ クワガタ飼育

オウゴンオニクワガタってどんなクワガタ

オウゴンオニクワガタの基本情報

オウゴンオニクワガタはジャワ島、スマトラ島などに生息しているクワガタで、ローゼンベルグオウゴンオニと呼ばれている種類が最もメジャーです。その他にも、モセリオウゴンオニ、モーレンカンプオオゴンオニ、ババイオウゴンオニ、フルストファーオウゴンオニなど数多くの種類がおります。中でもババイオウゴンオニやモセイオウゴンオニ等は大珍種といわれ、ペアで20万円以上の値が付いていた頃もあったようです。以前は飼育方法が確立しておらず、飼育の大変難しい種類の中の一つに数えられていました。現在は飼育方法も確立しておりますが、その昔は多くのブリーダーさんの試行錯誤の物語が数多くあったようです。このあたりに関しましてはのち程ご説明致します。

 

オウゴンオニクワガタの特徴

オウゴンオニクワガタの特徴ですが、幾つかありまして、大アゴの形状もその一つです。私たちが普段想像する一般的なクワガタの大アゴとは違い、湾曲の具合が異なります。外側への湾曲というよりは、むしろ内側に湾曲する事も多く、大型個体に関しては、上下に湾曲があるものも多くおります。
何と言っても最大の特徴は黄金色に輝くその体です。まばゆいばかりのその体は、ひと目見ただけでも魅かれてしまうものがあります。また決して大柄な種類ではありませんが、その割にはボディもたくましく、色・形状ともに魅力満点のクワガタです。

ローゼンベルグオウゴンオニクワガタ

オウゴンオニクワガタにまつわるエピソードなど

先述しました通り、かつてはとても飼育難易度の高かったオウゴンオニクワガタ。この項では、その事にまつわる涙ながらの悪戦苦闘の日々を送った、過去のブリーダーさん達のエピソードをご紹介してみたいと思います。肩の力を抜いて読んでみて下さい。

かつてはオウゴンオニクワガタと言えば、産卵させる事すら難しく、50回セットを組み、成功1回、割り出し数も1~2個という、ブリーダーさん達にとっては全くお手上げのクワガタだったようです。
当時流通していたクヌギやナラの材や菌床では全然ダメで、ワラをもすがる思いで当てにもならない情報を信じて、色んなもので挑戦していたようです。
雑誌でマットに週1回砂糖水を加水すれば良い、という記事が出ればこぞってそれに挑戦し、そこから派生して、サトウキビのマットが良いのでは、という事でサトウキビの苗を実際に遠くから買い付け、庭に植えるなどの試みもあったようです。
現地の樹木で、ダダップと呼ばれる木のマット等が流通した事もあったようです。ダダップのマットは10Lで4,000円前後したそうですが、大した効果はなかったようです。
ネット上のオウゴンオニクワガタ専門の掲示板ではみんながみんな、やれあ~だこ~だと自身の試みを報告する等して、掲示板は大変な賑わいを見せていたようです。

そうこうしているうちに、霊芝材が良いという情報が出始め、当時は泥埋め霊芝材、砂埋め霊芝材などの商品が出るなど、ブリーダーさんの間では大いに流行り、やがて飼育方法も見え始め、そして現在に至っているようです。

現在こそ飼育方法も確立し、もはやさほど苦労もせず、飼育を行えるようになりましたが、昔は大変な騒ぎを展開してきた、それが今回のテーマ、オウゴンオニクワガタの飼育、となります。
以上、この項は蛇足でしたが、せっかくですので過去の事例をご紹介させて頂きました。

ローゼンベルグオウゴンオニクワガタ

オウゴンオニクワガタってどんなクワガタ まとめ

1 東南アジアに生息している
2 大アゴの形状と黄金色の体が特徴
3 かつては飼育難易度の非常に高いクワガタだった

オウゴンオニクワガタに卵を産ませてみよう

成熟の確認

まずは成熟の確認ですが、飼育下の個体ですと3か月程は見たいところです。成虫寿命も決して短くはないので(長ければ羽化後1年近く生きる事もあります)、念のために3か月見るほうが無難です。昆虫ゼリーをたくさん食べるようになるなど、成熟確認が充分できましたら、いよいよ同居生活に入ります。

ここでもう1点特筆事項があります。野外採集品、いわゆるワイルドものと呼ばれている個体に関しましてですが、そのワイルド物の♀は交尾や同居生活なしで、いきなり産卵セット投入でも卵を産む。これが一般的な定説です。
ですがオウゴンオニクワガタに関しましては、なぜかそうとは言い切れない場合が数多くあります。
ハッキリとはわかりませんが、月虫の見解・予測では、
現地の採集家が材割り採集を行い幼虫を取り出しまして、自身で幼虫飼育を行い羽化させ、そして輸出を行っている事もあるのではと考えております。その場合、真のワイルドものと違い、当然交尾は行っておらず、♀は卵を抱えておりません。結果、産卵セットに投入しても産む訳がない。こういう考え方です。もちろん真意の程は確認できませんが、可能性としてはありえますので、そういった事が危惧される個体に関しましては、月夜野きのこ園では、現地飼育品と表記をさせて頂いております。こういった事が多く行われているのはなぜかオウゴンオニが圧倒的に多く、多種では最近はあまりありません。以前は多種でも横行していた事もあるようで、パラワンオオヒラタクワガタのワイルドを20ペア購入し、♀をすべてそのまま産卵セットに投入したものの、全滅。おかしいなと思いつつも、全ての♀を♂と同居させたその後に再度産卵セットに投入すると、全ての♀が産卵した、なんて事もあったようです。現在はそういった事はあまりなく、ただオウゴンオニクワガタのみ今だにそういった事が起こり得るようです。不思議な事です。

ローゼンベルグオウゴンオニクワガタ

同居生活と産卵セットの組み方

成熟確認後の同居生活ですが、♂♀を産卵セットに直接投入しても良いと思われます。その産卵セットですが、一般的なヒラタケ系の菌床ブロックではなく、カワラタケ菌床、N-カワラブロックを使用します。本種に関しましては、霊芝材(菌床)やカワラタケ材(菌床)を使用します。
そうです、昔はこの謎にたどり着くまでに多くのブリーダーさんが試行錯誤を繰り返していたわけです。

その産卵セットの作り方は以下の通りです。

準備するもの

1 クリーンケースLサイズ
2 N-カワラブロック
3 きのこマット
4 昆虫ゼリー

作り方

1 クリーンケース内にきのこマットを3cmほど敷く
2 その上にN-カワラブロックを置く
3 隙間にきのこマットを詰める(菌床を完全に隠す必要はない)
4 空いている場所に昆虫ゼリー5~6個入れる

完成するとこんな感じになります。
カワラタケ菌床産卵セット

産卵・割り出し

同居生活開始から2週間程経過しましたら、♂は取り除き個別で飼育を行い、残った♀だけを産卵セット内で継続して飼育します。同居生活やその後の飼育時におけます、温度管理ですが、25℃~27℃くらいまでが丁度良いと思われます。低めでも23℃程度が無難でしょう。

ついでながら補足させて頂きますが、オウゴンオニクワガタやタランドゥスオオツヤクワガタなど、カワラ菌糸を好むクワガタに多いのですが、♀が材や菌床の中に潜っていかない事があります。その場合は多くのブリーダーさん達は、材や菌糸にドリルの様なもので穴をあけて、その中に♀を押し込んでしまうようです。潜っていかないと産卵を行わない事もあるようで、そのための方法です。ブリーダーさんの中には、カワラの菌糸ビンを飼育ケースの中に横に入れて産卵をさせる、そんな方もおるようです。菌糸ビンには真ん中に穴が開いておりますので、♀はその中で産卵を行うわけです。

オウゴンオニのメス

産卵セット投入から2か月程経過しましたら、いよいよ割り出しを行います。割り出しに際しましての注意点などについて詳しく書かれている別の記事もありますので、是非とも参考にしてみて下さい。

参照記事;カブトムシやクワガタの割り出しについて!とてもワクワクするときです!

割り出しにて採取しました幼虫や卵は個別にて管理を行います。この時に使用するものは引き続きN-カワラブロックです。崩してプリンカップなどに詰めて使用します。そしていよいよ幼虫飼育を行います。

オウゴンオニ同様にカワラブロックでの産卵が必要なタランドゥスオオツヤクワガタ
タランドゥスオオツヤクワガタ

オウゴンオニクワガタに卵を産ませてみよう まとめ

1 成熟期間は羽化後3か月の経過が目安
2 産卵セットにはN-カワラブロックを使用する
3 ワイルド品でも♀のみでは産卵しない事もある(現地飼育品も横行している)

オウゴンオニクワガタを羽化させよう

幼虫飼育の開始

割り出し後に個別管理を行いました幼虫や卵は個別飼育を行います。2~3cm程に成長しましたら、プリンカップからクリアボトルに移し替えます。引き続きN-カワラブロックにて飼育を行います。ここで1点注意点があります。幼虫飼育もカワラ菌糸を使用するわけですが、その際に産卵セットで使用しましたカワラ菌糸を念のために保管しておきます。割り出しを行った後はボロボロに崩してしまっていると思いますが、それをプリンカップに詰めて飼育を行います。そしてその間に新しいカワラ菌糸を購入し、幼虫飼育を継続します。先にカワラ菌糸を準備してしまいますと、万が一産卵していなかったり、1~2頭程度しか産んでいなかった場合に余ってしまいます。これを予防するために、菌糸は先には準備せず、割り出し後に必要な分だけ購入すればよいわけです。

幼虫期間に関してですが、飼育時の温度にもよりますが、目安としましては6~8か月程かと思われます。幼虫飼育自体はさほど難しくはありませんので、エサ交換さえ怠らなければすくすくと育っていきます。管理温度も産卵時同様25℃~27℃程度が良いでしょう。

サナギになったら

サナギになりましたら、多種同様に安静に見守ってあげます。むやみに動かさず羽化するまでじっくり見守ります。日本の山では見ることのできない黄金の輝き、それはもう目の前まで来ております。
無事に羽化しました成虫は♂♀問わず、当然クワガタ愛を持って飼育してあげてください。しかも本種に関しましては、クワガタブリードの先駆者たちが、試行錯誤の果てに飼育方法を確立してきた種でもあります。
偉大なる先駆者の皆さま達にも感謝です(笑)
今回の記事は長丁場になりましたが、それだけ奥深く、業界的にも歴史のあるという事でご了承頂ければと思います。

ローゼンベルグオウゴンオニ

オウゴンオニクワガタを羽化させよう まとめ

1 幼虫飼育にもN-カワラブロックを使用
2 幼虫期間は概ね6~8か月
3 クワガタ愛とブリード先駆者様への感謝の念を持って飼育(笑)

この記事でご紹介したアイテム

月夜野きのこ園クワガタ菌床販売部にてご購入頂けます。
オウゴンオニクワガタ
N-カワラブロック
菌糸ビンN-1100
飼育ケース
プリンカップ
クリアボトル
きのこマット
昆虫ゼリー

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