カブトムシ飼育とコバエ
コバエとは何か
コバエ。
カブトムシを飼育していると、どこからともなく現れて、気がつけば大量に発生してしまう厄介な存在ですよね。実は、「コバエ」というのは小さなハエの総称で1つの種類をさす言葉ではありません。中でもカブトムシの飼育中に現れる「コバエ」は「キノコバエ」と「ショウジョウバエ」であることが多いのですが、それぞれ生態が違い好むエサも違うので、対処方法も異なってきます。
なぜコバエが発生するのか
コバエたちも生き物でありエサを求めているため、好みのエサのニオイを嗅ぎつけると集まってきます。さらにコバエたちはそこが良い環境だと判断すれば、卵を産み付け繁殖しようとするので、ここから大量発生につながることがあります。
好みとするエサはそれぞれ違い、キノコバエは幼虫飼育のエサに使う「マット」を、ショウジョウバエは成虫飼育のエサに使う「ゼリーや果物」をそれぞれ好みとしています。ですので、
幼虫飼育のときには「キノコバエ」
成虫飼育のときには「ショウジョウバエ」
がそれぞれ発生しやすくなります。
コバエ発生で困る事はあるのか
飼育している人目線でいうと、衛生的、見た目的にNG、自分は良くても家族がNGといったことがあげられます。
カブトムシにとっては、それほど神経質にならなくても良いと考えていますが、幼虫飼育時に発生しやすい「キノコバエ」には注意が必要であると考えています。
なぜなら、キノコバエの発生したマットは、分解が早く進み、栄養価が損なわれ、幼虫に悪影響を及ぼすおそれがあるためです。このときのマットは見た目上、正常な「土のような状態」から「パウダー状」に変化していきます。
次の章では、コバエが出てしまったときの対処について触れていきます。
カブトムシ飼育とコバエ まとめ
1 ひとことに「コバエ」といっても1つじゃない
2 それぞれの好みのエサに寄ってくる
3 要注意、マットに出やすい「キノコバエ」
コバエ対策
家族やカブトムシの平和のためにも、コバエの発生はなるべく抑えたいところです。この章では、発生させない「予防」と、発生してしまった際の「対処」について触れていきたいと思います。
コバエ発生を予防するには
予防で大事なことは、コバエを入れないことです。コバエのサイズは2ミリ程度と小さく、ちょっとした隙間を見つけては簡単に侵入してきます。
普通の飼育ケースや虫カゴをお使いの場合、そのままではおそらくコバエに侵入されてしまうと思います。これを防ぐ方法として「ディフェンスシートを使う」方法があります。
ディフェンスシートは、コバエが簡単に侵入できない小さい空気穴のあいたビニールシートです。
これから新しく飼育ケースの購入をお考えの方には、「コバエシャッター」という飼育ケースをおすすめします。その名の通りコバエの侵入を抑えるべく作られた飼育ケースで、通気口に不織布フィルターを採用し、コバエが容易に侵入できない作りになっています。
この他にも、コバエとりをケースの内側にセットする方法もあります。
コバエが発生した場合には、ケースの外側に出てくる前に内側で捕獲します。
コバエが出てしまった後の対処法
▼キノコバエ・ショウジョウバエ共通
【液体カートリッジタイプの殺虫剤】を使う方法がおすすめです。飼育している部屋にセットして30分から1時間程度噴霧するとよいでしょう。
※注意※
セットするときは直接マットやカブトムシにかからないよう、飼育ケースにはしっかりフタをしておいてください。
▼キノコバエ
【電撃殺虫】がおすすめです。光に反応するキノコバエを電撃で退治する方法です。
電撃自体はショウジョウバエにも有効ですが、おびき寄せる光にあまり反応しないので効果は今ひとつといったところです。
▼ショウジョウバエ
【ワイン+洗剤トラップ】がおすすめです。果物やゼリーなどを好むショウジョウバエに効果的です。
・作り方
1 カップにワインなどの、ショウジョウバエが好むにおいを持つ液体を入れる。
2 洗剤を数滴たらす
※ワインのかわりに酢や発泡酒でも代用可能です
ここでのポイントは洗剤を入れることです。
洗剤に含まれる界面活性剤の効果で、水の表面張力が低下し、ハエは浮かずに沈んでいきます。
コバエ対策でやってはいけない事
スプレー式の殺虫剤は強力でコバエ退治の効果が大きいです。それゆえ取り扱いには注意が必要です。「スプレーの使用中、誤ってフタの開いているケースの中にかけてしまい、カブトムシが全滅してしまった」という例もあるようですので、カブトムシの飼育容器のおいてある場所でのスプレーは控えた方がよいでしょう。
スプレー式殺虫剤は強力、マットやカブトムシにはかけないように
コバエ対策 まとめ
1 殺虫剤は液体カートリッジタイプがおすすめ
2 コバエの種類ごとに効果的なトラップがある
3 スプレー式殺虫剤は強力ゆえに注意が必要