カブトムシを羽化させよう!感動の瞬間を体感してみよう!

カブトムシの羽化 カブトムシ飼育

今回はカブトムシの羽化についてです。羽化というのはいよいよ成虫になる時です。
大切に育ててきたカブトムシをしっかりと羽化させてあげたい。
時期や管理方法、注意点なども含めてご説明致します。

カブトムシの羽化について

カブトムシはいつ頃羽化するのか

国産のカブトムシはいつ頃羽化するのでしょうか。野性のカブトムシも飼育下のそれも基本的には同じで、だいたい6月から7月頃までに羽化します。もちろん野性であれ飼育下であれ環境に左右されたり、個体差によって違いも出ます。
環境でいいますと主に温度帯でして、低温飼育(16℃~20℃)を行っている場合はそもそも蛹化自体が遅くなる傾向があります。
個体差で言いますと、小さい体のカブトムシや♀のカブトムシが比較的早めに羽化する傾向があります。
小さい♂は、大きい♂が羽化してくる前に♀をゲットして子孫を残すんだという本能が働くのかもしれません。
ちなみに蛹化(幼虫の手足が固まり始めた頃)してから羽化してくるまでの期間は低温管理(16℃~20℃)でだいたい2ヶ月~2ヶ月半、高温管理(20℃~25℃)でだいたい1カ月~1ヶ月半程度が平均だと思われます。

羽化直前の様子と管理方法

初めての方にとっては羽化直前を事前に察知し、心の準備をしてしておきたいところです。では羽化直前とはどんな様子でどんなふうに管理しておれば良いのでしょうか。
まず羽化直前のサナギの様子ですが、限りなく黒っぽい色になってきます。サナギになり始めた頃と比べますと一目瞭然です。そしてややしぼんだように小さく見えます。その状態の、つまり羽化直前の管理ですが、基本は静かに動かさないようにして安静にしておく事です。そして可能であれば(蛹室の中が確認できれば)、邪魔なものを取り除く事です。この場合の邪魔なものとは、カビ、ダニ、キノコ、マットの破片などです。これらは羽化時に羽化不全を起こしてしまう可能性もあるからです。カブトムシ飼育の最終章ですので万全の態勢で迎えてあげましょう。そしていよいよカブトムシが羽化してきます。

まだ羽化しないサナギ

蛹室内のサナギ
羽化直前のサナギ

羽化直前

羽化後の様子と管理方法

さて無事に羽化に成功しました。その後のカブトムシの様子や注意点などはあるのでしょうか。まず第一に羽化したてのカブトムシの体は柔らかいため持ったりする事は厳禁です。むやみに触ったりしますと、羽が閉じなかったり変形したりしてしまう事も考えられます。これは特に人工蛹室で飼育をされている方は要注意です。マット内で飼育をされている方は、できればカブトムシ自身が自力で蛹室から出てくるまで待ってあげる事をお勧めします。羽化直後の注意点もやはり羽化直前同様に安静に見守る事だと思います。

羽化直後のカブトムシ まだ羽も白い

羽化直後

徐々に色が付いていくる 画像はメス

羽化後しばらく

カブトムシの羽化について まとめ

1 国産のカブトムシはだいたい6月~7月に羽化する
2 小さめの個体や♀から先に羽化する事が多い
3 蛹化してから羽化までは1カ月~2ヶ月半くらい(管理温度によって変わる)
4 羽化直前のサナギは黒っぽくなる
5 羽化直後はなるべく触ったりせず、安静にしておく

羽化に関してのあれこれ

羽化不全とは

羽化してきたカブトムシの、主に外見上に不具合がある事を羽化不全といいます。主たる羽化不全の内容としましてはこんなものが挙げられます。

①羽パカ(羽がしっかりと閉じない)
②角曲がり
③ディンプル(主に背中や羽の部分にデコボコができてしまう)

ではこの羽化不全を防ぐ方法はあるのでしょうか。生き物の事ですので完璧はありませんが、対策は幾つかあります。
それは上記でも書きましたが前蛹からサナギの時の主に蛹室の環境です。マット内の蛹室の場合ですと不要物を取り除くという事です。羽化時にそれらが邪魔になってしまうと羽化不全を起こしてしまう場合があります。そして蛹室の形状です。きちんとアーモンド型の蛹室が作れているかどうかも要確認です。形状が悪いと角曲がりを起こしてしまう事もあります。
別の記事でも書きましたが、羽化不全になる時は実は既に蛹化不全を起こしている事もあるのです。蛹化不全にかんしましては別の記事を参照してみて下さい。

参考記事;カブトムシのサナギについて学ぼう!知って得する情報がいっぱい

人工蛹室ですとそのサイズです。窮屈でもブカブカでもダメです。カブトムシが羽化する時に自分の手足で上へ上がっていけるサイズが最適です。国産カブトムシではあまりないのですが、ヘラクレスオオカブトなどの、蛹室を横に作る種類の場合ですと、蛹室の長さも必要です。短いと角曲がりなどの羽化不全を起こしてしまう場合があります。
羽化不全を防ぐカギは蛹室にあり!と考えて頂いても良いかと思います。

羽パカの♀

羽パカ
お尻や背中にディンプルのあるオオクワガタ

ややディンプルが見られるオオクワ
角曲がりのヘラクレス

角曲がり

カブトムシのひっくり返りについて

カブトムシが羽化直後に蛹室内でひっくり返り気味になっている事があります。一般的に、カブトムシがひっく返ってしまっている場合は体力を消耗してしまうので良くないといいます。成虫飼育時には皆さまよく気をつけている点だと思います。ではこの場合、羽化直後の場合はどうなのでしょうか。

こういった説もあるようです。どうやらこの時のひっくり返りは背中側ではなくお腹側を乾かすためにカブトムシ自身が行っているという事です。実験的に静観してみますと、確かにひっくり返り後に衰弱や死亡は見られずに無事でした。羽化直後の蛹室内でのひっくり返りは特に成育には問題はないようです。蛹室内であれば仮にカブトムシが苦しいと感じましたら自力で体性を変える事もできますので大丈夫なのだと思います。

なかなか羽化しない事はあるのか

なかなか羽化しないなぁ、と感じる時もたまにはあります。この場合は主な理由としましてはやはり管理温度です。低温管理(16℃~20℃)ですと、蛹化してから羽化するまでの期間で1カ月以上の差が出る事もあります。なかなか羽化せずに心配な場合は温度状態を確認してみるのも良いと思います。

羽化が遅い場合のもう一つのケースとしましてはサナギの死亡が考えられます。この場合は当然いつまで待っていても羽化はしません。サナギの時に何かしらのダメージを受けてサナギが弱ってしまった場合にそのまま死んでしまうのです。生きているのか死んでいるのかを確かめる方法としましては主に2つあります。
1つ目は飼育ケースや人工蛹室を少し揺らしての生存確認です。生きている場合はお尻を振って動きます。死んでいる場合は当然無反応です。
もう1つは匂いを嗅ぐです。死んでいるサナギは死臭がします。生きている場合はサナギ特有のにおいがします。ですが、初めての方はサナギ特有の匂いもよくわからないと思いますので、飼育ケースや人工蛹室を少し揺らしてみる方法のほうがお勧めかも知れません。この時に揺らすのは少しで、大きくは揺らさないようにして下さい。

オスばかりメスばかりはあるのか

たくさんの飼育を行っている方でしたら当然たくさんのカブトムシが羽化してくるわけです。その時の♂♀の比率ですが、必ずしも50%50%ではありません。当然バラつきもでてきます。こればかりは仕方が無く受け止める以外にはありません。次世代ブリードを考えている場合には深刻な問題ではありますが、どちらかが極端に少ない場合は他の人から譲って頂くなどするしかないようです。

♂がたったの1頭のみ

♂は1頭のみ

羽化率について

最後は気になる羽化率と羽化失敗のケースです。
飼育下のカブトムシは当然自然界と比べますと羽化率は高いと予測されます。当たり前ですが飼育下では天敵がいないからです。その他にも環境もだいたい整えられているという事も大きいと思います。では飼育下での羽化率はだいたい何パーセントくらいなのでしょう。こればかりは実はハッキリとした事は言えず、人によってかなりバラつきがでるのではとも思います。おおよその目安としましては、全体の7割程度が無事に羽化してくれれば成功と思って頂いてもOKだと思います。もちろん全て無事に羽化してくれる事が最も良い事は確かです。

カブトムシ

羽化に関してのあれこれ まとめ

1 羽化不全対策は蛹室の管理が重要
2 羽化直後の蛹室内でのカブトムシのひっくり返りは心配ない
3 羽化が遅いと思った場合は温度確認と生存確認
4 羽化したら♂ばかり♀ばかりの時もある
5 飼育下では全体の7割が無事に羽化すればまずまず成功(目標は全数羽化)

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