ヘラクレスオオカブトの飼育!迫力満点のヘラクレスの飼育に挑戦しよう!

ヘラクレスキャッチ カブトムシ飼育

今回はあのヘラクレスオオカブトの飼育についてです。外国のカブト・クワガタではおそらく一番有名なのではないかと思われる種類です。そして世界最大の呼び声も高いカブトムシです。そんなヘラクレスオオカブトの飼育方法をご紹介致します。

ヘラクレスオオカブトの基本情報

ヘラクレスオオカブトってどんなカブトムシ

ヘラクレスオオカブトは世界最大のカブトムシとも言われており、180mmを超えるともいわれております。中南米を中心に広く生息しており、その中で標高の高い場所に生息しております。基本的には熱帯雨林の地域で生息していると言えます。現在では野生種が海外から入ってくる事は一部の亜種でしかなく、ヘラクレスの原種であるヘラクレスヘラクレスは全て日本での飼育下のものと予測されます。そしてヘラクレスと言えば、あのムシキングでもナンバーワンの人気を誇った、日本ではまさに外国のカブトムシの代表格ともいえます。

ヘラクレスオオカブトの特徴

特徴としましては一目でわかる角が第一にあります。日本のカブトムシと比べると上の角(胸角)が長く、下の角(頭角)も立派です。そして上部の角にはフサフサとした毛が生えている事も特徴です。背中の羽の部分は光沢のある黄色っぽい色をしたものが多いのですが、生息地域によって色や柄の違いがあります。
うれしい特徴としましては、日本のカブトムシと比べるとずいぶんと寿命が長い事です。ですのでカッコいい雄姿をじっくりと見ていられます。
もちろん最大の特徴はその大きさです。圧倒的なボリューム感はなんともいえないカッコ良さがあります。

ヘラクレス成虫

ヘラクレスオオカブトの基本情報 まとめ

1 中南米の標高の高い地域に生息している
2 世界最大といわれている
3 角が長く角にはフサフサした毛が生えている
4 日本では外国産のカブトムシの代表格

ヘラクレスに卵を産ませてみよう

ここからはいよいよ本格的な飼育についてご説明します。流れとしましては

①成虫の管理
②産卵
③採卵
④孵化・幼虫飼育
⑤サナギ・羽化

こんな感じになります。ではさっそく参りましょう!

成熟の確認

さて成虫ペアを飼育しております皆さま、いよいよヘラクレスの子孫を残すことに挑戦します。その際に要確認な事としましては成熟です。しっかり成熟しておりませんと当然子孫を残す事はできません。では成熟の具合を確認するにはどうしたら良いのでしょうか。
これはヘラクレス以外のカブトムシ・クワガタについても言える事ですが、成虫を購入する際には必ず羽化日を確認するようにして下さい。その羽化日から換算して成熟する頃を予測できるからです。羽化してから1カ月もしますと昆虫ゼリーなどのエサを食べ始めます。この事を後食と言います。

ヘラクレスの場合ですと一般的な成熟までの期間はエサを食べ始めてから2~3カ月と言われております。正確な羽化日やいつ頃からエサを食べ始めたのかがわからない場合の目視での目安としましては、昆虫ゼリーで言いますと、2日間でゼリー1個を完食するくらいに食事量が増えてくれば、成熟していると見なす事ができます。羽化してからの管理温度によっても後食の開始時期なども変わってくる場合もありますので、この目視確認の目安も覚えて置いて下さい。
成熟しきってない状態では、仮に卵を産んでくれたとしても、無精卵である可能性もありますので、成熟具合をしっかり確認する事は交尾・産卵という時には最重要項目の1つとなってきます。

同居生活とハンドペアリング

さて成虫の成熟が無事に確認できましたら、いよいよ子孫を残すための準備完了です。最初は成虫の♂と♀を同居させてみましょう。同居のためのセットは、飼育ケースでいいますとS又はMサイズを使用します。そこに薄めにハスクチップを敷き昆虫ゼリーを幾つか置いておきます。ハスクチップをあえて薄めに敷くのは、♀が中に潜らないようにするためです。中に潜ってしまうとしっかりと交尾ができないからです。この時の温度は25℃前後が理想です。その同居期間ですが、1週間も同居をさせておれば交尾完了したと見なしてもOKだと思われます。

また別のやり方としましてハンドペアリングという方法もあります。この方法はヘラクレスの産卵においても多く行われます。ハンドペアリングとは、意図的に♂♀を交尾させるやり方です。手順としましてはまず、♂に♀の小循板の匂いをかがせてその気にさせてから♂を♀の上に乗っからせます。そうして交尾をさせるのです。そうして交尾が完了しましたら、今度は♀を産卵セットに入れます。

ここが小循板です。

ヘラクレスメス小循板

ヘラクレス交尾

産卵セットの組み方

さて次は♀を産卵セットの中に入れ単独飼育を開始します。産卵セットを組むわけですが、ここで一点、考え方をご説明致します。
国産のカブトムシでもそうなんですがカブトムシは基本的には、俗にバラ撒き産卵と言われる産卵方法です。多くの量の卵を広い範囲に産むというやり方です。これで言いますと、産卵セットの飼育ケースが大きければ大きい程、当然広さも確保できますので、その分多く産んでくれる可能性も高くなります。ですので国産のカブトムシの産卵セットでも、一番大きい飼育ケースではなく洋服などをしまっておく衣装ケースにて産卵をさせるブリーダーの方もいらっしゃいます。つまり、どれほどの卵を採取したいかによって飼育ケースを選ぶ、という事になるわけです。この事を踏まえまして産卵セットの組み方をご説明致します。

使用するのにオススメのマットは、完熟マット黒土マットです。使用するケースの7分目までこのマットを敷きつめて上からギュウギュウ押し詰めてカッチリと固めます。そしてその上からまた同じマットを2cm~3cm程入れます。この時は固めずにふんわりと敷く感じです。そして転倒防止材や昆虫ゼリーを入れて完成です。昆虫ゼリーは念のために2~3個入れておきます。使用する飼育ケースは希望産卵数に応じてとなりますが、市販のケースでしたらLサイズ程度の大きさは必要です。可能であればそれより大きな容器があればそれがベストだと思います。そしてその産卵セットに♀を単体で入れて飼育を行います。

産卵セット

採卵・割り出しについて

さて産卵セットの中で♀の飼育を開始しましたら、10日間もすれば卵を産んでいると予測されます。この場合も目視確認は必要で、♀があんまりマットの中に潜っていないようでしたら、10日間といわず2週間、3週間待ってみたほうが良いでしょう。頻繁に潜っている様子が確認できた場合は10日間で1回目の採卵を行ってみても良いと思います。

さてここでですが、今までの月虫の記事でご紹介してきましたやり方では、採卵という工程はありませんでした。卵の取り扱いを回避し、幼虫になってから、幼虫が確認できたら割り出しを行う、というやり方を推進してきました。カブトムシの卵は小さく取り扱いに注意が必要だからです。ところが今回初めて、採卵という工程が出てきました。そのあたりをご説明致します。

カブトムシがバラ撒き産卵を行う事はすでにご説明致しました。ではバラ撒き産卵とはどういった動き方なのでしょうか。♀は飼育ケース内で潜りウロウロしながら産卵を行っているのではと予測されます。そうしますと時に、産んだ卵をつぶしたりしてしまう事もあるのではと予測されます。ですので小まめに卵を回収し(採卵)、産んでくれた卵は全てを無事に回収するという事になります。
こういった採卵を数回繰り返し、より多くの卵をゲットしましょう。注意点としましては、採卵のサイクルがあまりに短いと産んでくれない事もありますので、10日間サイクル程度が丁度よいと思います。採卵の度に産卵セットを作りなおす事は大変ですが、多くの卵をゲットしたい場合はこの方法がオススメなのです。

ちなみに、カブトムシを長生きさせる秘訣の一つに、交尾・産卵をさせないという事があります。ですのでカブトムシの♀も長い期間産卵をし続けますと寿命が短くなります。成虫を長生きさせたい場合は産卵も2~3回程度でおさえておき、産卵セットから♀を取り出してのんびりと飼育するのも1つの考え方です。

採卵した卵は個別で管理します。卵は小さく傷つきやすいので充分注意をして下さい。孵化するまでは採卵のたびに採れた卵の数量程度は、まとめてマットにいれておいてもOKです。卵の管理はプリンカップの中に、産卵に使用したマットを入れて上から軽く同じマットをかぶせるように入れておけばOKです。そして無事に孵化しましたらいよいよ幼虫飼育の開始です。

カブトムシセット

ヘラクレスに卵を産ませてみよう まとめ

1 成熟の目安は後食後2カ月、又は昆虫ゼリーを2日間で1個完食
2 産卵は同居またはハンドペアリング
3 1週間ごとに採卵を行う
4 卵は産卵セットとは別に管理
5 卵はプリンカップで産卵セットと同じマットにて管理

ヘラクレスを羽化させよう

幼虫飼育の開始

卵から無事に孵化しましたらいよいよ幼虫飼育の開始です。大きくなるもならないもここからが重要です。まずは産まれたての初令幼虫はプリンカップで飼育を開始します。お勧めのプリンカップは860プリンです。使用するマットは産卵に使用したマットでOKです。そして少しづつ大きくなり始めましたら、きのこマットに変えていきます。
幼虫飼育の温度管理は20~25℃が理想的ですが、常温でももちろん飼育可能です。ですが夏季の高温には注意が必要で、30℃を超える状態が続くと危険ですので、常温管理でも暑さ対策は必要です。

飼育ケースの中のマットにフンが増えてきましたらマット交換を行って下さい。そうして大きくなるにつれて飼育容器も変えていきます。ヘラクレスの幼虫は最終的には150gに達するものも出てきます。体長も10cmを超えるものも出てきます。ですのでサナギや羽化の事を考えますと、途中から飼育ケースSやMサイズにて飼育を行うほうが無難だと思います。大きくなってきますと幼虫のおなかを見て♂♀の判別ができるようになります。窪みがあれば♂、なければ♀です。♂であった場合には飼育ケースS又はMサイズをお勧めします。♀の場合は1,400CCのボトルでもOKです。飼育スペースに余裕があれば、大きめの飼育ケースのほうが無難は無難です。

ここを見て窪みがあれば♂です。この幼虫は♂です。

幼虫♂
この幼虫には窪みがないため♀です。

幼虫♀

幼虫でいる期間ですが20~25℃で管理を行った場合で平均的には12~14カ月です。ですが、大きさや♂♀、もちろん細かな温度によっても大きく左右されますので、上記の期間というのはあくまで目安となります。国産のカブトムシと比べますとやや長いですが、じっくり育てて大きくなる事を祈りましょう。

サナギになったら

幼虫飼育を開始を初めて体が大きくなってきますと体がやや黄色っぽくなってきます。その間にマット交換も4~5回行われていると予測されます。幼虫が大きくなり体が黄色っぽくなり始めるとサナギになる準備をし始める頃です。普通の場合ですと、この状態で幼虫は蛹室を作り始め、前蛹になり、サナギとなり羽化へ向かっていきます。

マット内の蛹室
何事もなければこのまま、幼虫飼育の延長のまま安静にしておけば勝手に羽化するはずです。ただし何らかで蛹室を壊してしまったり、飼育ケースの隅っこのほうに蛹室を作ってしまったり、蛹化不全、羽化不全の可能性がでてきそうな場合は人工蛹室に移してあげます。

飼育ケースの外側に蛹室を作ってしまったケース

蛹室失敗例

蛹室が狭いためツノ曲がりとなってしまったヘラクレス 飼育ケースは念のために大きめが無難

ヘラクレス羽化不全ツノ曲がり

人口蛹室に移す場合は前蛹の頃が理想的ですので、早めの判断が必要になってきます。ヘラクレスは国産のカブトムシと違い、蛹室は横に作ります。ですので人口蛹室も横向きの物を使用します。一般的に多いのはオアシスと呼ばれるスポンジを削って作ったものです。ヘラクレスのサイズに合わせてサイズを決めて掘っていきます。
人工蛹室に移すのは何も蛹室に不具合がでた時ばかりでなく、羽化する瞬間をじっくり観察したい場合など、積極的に利用しても問題は全くありません。ただ安静にしておく事は同じで、むやみに触ったりはしないほうが良いでしょう。
そしてあとは無事に羽化してくれるまで待っています。前蛹からサナギまで1カ月、サナギから羽化まで1カ月、期間の目安でいいますとこんな感じです。

人工蛹室の中のヘラクレスの前蛹

ヘラクレス前蛹
人工蛹室の中のヘラクレスのさなぎ

ヘラクレスさなぎ

羽化に成功したら

無事に羽化に成功しましたらあとはカブトムシ愛を持って育てるだけです。普通に生きてくれれば1年前後生きてくれますので長い期間楽しむ事ができます。外国産カブトムシの代表格であるヘラクレスオオカブト、楽しみながら飼育・観察してみて下さい。

羽化したてのヘラクレス

羽化したてヘラクレス

最後に注意点があります。ヘラクレスオオカブトは日本には生息していない昆虫です。飼いきれなくなった場合でも決して野外には放さない(放虫)でください。産卵数もご自身で飼い切れる数を目安に行って下さい。宜しくお願い致します。

ヘラクレスを羽化させよう まとめ

1 初令幼虫は産卵セットと同じマットで飼育
2 大きくなってきたらきのこマットで飼育
3 大きくなってきたら大きな容器に移し替える
4 蛹室に不具合がでたり、羽化を観察したい場合は横向きの人工蛹室を使用
5 カブトムシ愛を持って飼育し、飼いきれなくなっても野外に放さない(放虫禁止)

この記事でご紹介したアイテム

月夜野きのこ園クワガタ菌床販売部にてご購入頂けます。
ヘラクレスオオカブト
完熟マット
黒土マット
きのこマット
飼育ケース
860プリン
Pクリアボトル1400
昆虫ゼリー

ヘラクレスオオカブト 世界のクワガタ・カブト紹介

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