ヒラタクワガタの飼育【基礎編】飼育からブリードに挑戦してみよう!

クワガタ飼育

ヒラタクワガタの基本情報

今回ご紹介致しますのは国産のヒラタクワガタです。国産クワガタの主要な種類の1つでもあります。今回は国産の中でも最も一般的な本土ヒラタクワガタについてご説明致します。

ヒラタクワガタってどんなクワガタ

ヒラタクワガタといっても、一般的な方の多くはいまいちピンとこない方もいらっしゃるかもしれません。そう、お住まいの地域にもよりますが、案外と捕獲したりたまたま発見したりといったような日頃触れ合う機会が何気に少ない種類でもあります。関東から北にすんでいる方は特にそうなのではないかと思います。ですが実はこのクワガタ国内ではじつに多くの種類がいるのです。この事に関しましては別の記事でもご紹介しております。
参考記事クワガタの種類はどれだけいるの?種類によって何が違うのか?

本土産ヒラタクワガタ

ヒラタクワガタの特徴

クワガタといえば山の中や森の中にいるものを想像する事が多いですが、ヒラタクワガタは河川敷や河川近くの林などにも多く生息しております。平べったいからだをしている事が特徴で、ヒラタクワガタと言われているようです。大あごで挟む力は強い半面、飛翔性が低く、生息範囲も広げにくいとも言われております。

本土産ヒラタクワガタ

ヒラタクワガタの基本情報 まとめ

1 国内では多くの種類がいる
2 山や森だけでなく河川敷など川の側の林などにも生息している
3 多あごで挟む力は強い
4 平べったいからだをしている

ヒラタクワガタのブリードに挑戦

この項ではいよいよ本格的な飼育についてご説明します。
最初に国産の中の本土産と言いましたのは、本土産と離島のものとでは、飼育に関して若干方法が異なる部分もあるからです。ご説明しますのは本土産のヒラタクワガタです。
流れとしましては

①成虫の管理
②産卵
③割り出し
④幼虫飼育
⑤サナギ・羽化

こんな感じになります。ではさっそく参りましょう!

♀に卵を産ませてみよう!産卵セットの組み方

最初に必要になりますのが、ヒラタクワガタの成虫ペアです。野外で採集が可能な方はもちろんそれでもOKですが、野外採集も初めての方にとってはそう簡単ではないと思いますので、購入をおすすめします。購入時にはエサを食べ始めたかどうかを確認してください。成虫がエサを食べ始める事を後食(こうしょく)と言いまして、成熟具合の目安となります。(成熟しきっていないと交尾をしない場合もあるため)ヒラタクワガタは後食開始後3カ月後が成熟の目安となっております。

ヒラタクワガタのペアがご用意できましたら早速開始です。念のために最初は別々の飼育ケースで管理しエサをしっかりと食べているかを確認してみましょう。食べている様子が確認できましたら、同居生活の開始です。
同居は産卵セットにてにて行います。産卵セットの組み方はこのようにします。
(下記はマット産卵のセットです。)

①飼育ケースLサイズの7分目くらいまで黒土マットを敷く(完熟マットでもOK)
②そのマットを固める(上から手でギュウギュウ押しつける)
③その上から2~3cm程度同じマットを入れる(押しつけない)
④転倒防止のために止まり木と昆虫ゼリーを置いて置く
⑤新聞紙をあいだにはさんでフタをする

※産卵セットは他にも材を使用しての産卵セットもございます。

産卵セット画像 ※ヒラタクワガタではありません。

産卵セット

上記のようにセットを組みましたら、成虫を♂♀ともに入れます。この状態で1週間~10日間も一緒にさせておけば充分OKだと思います。♂が♀を挟んだり、♀が潜ったきりだったりした場合、まだ成熟具合が甘い可能性がありますので、そんな時はもうしばらく個別飼育で様子を見て、改めて産卵セットに移すほうが良いと思います。同居開始直後は攻撃したりしないか等を目で確認を行う方がより良いと思います。管理温度はだいたい25℃~27℃です。

ヒラタクワガタメス

本土産ヒラタクワガタ♀

同居生活の期間が過ぎましたら♂を取り除き、♀のみを産卵セット内で飼育します。飼育ケースの側面・底面に卵や幼虫が5~6頭見えだしたら交尾が完了しておりますので、♀を取り出します。さらに1カ月ほど管理しましたらいよいよ割り出しを行います。

ヒラタ産卵セット画像

本土産ヒラタ産卵セット

卵や幼虫を確認してみよう!割り出しのやり方

割り出しは大きめのタライの中や、新聞紙を敷いた上に飼育ケースの中のマットをそっと撒けます。そして中に居る幼虫たちを取り出します。小さい幼虫はまだ柔らかいため優しく触れるようにしてあげて下さい。幼虫たちは個別にて飼育をします。

ヒラタ割り出し画像

本土産ヒラタ割り出し

幼虫飼育の開始

割り出した幼虫は個別で管理します。最初は産卵セットに使用したマットを継続して使用し、プリンカップの中で幼虫を育てます。大きくなり始めましたら、菌糸ビンに投入します。オススメの菌糸ビンはEP1100です。もちろんマット飼育も可能です。マット飼育の場合はきのこマットがオススメです。菌糸ビン飼育の方がデータ上は早く羽化する傾向が見られますので、菌糸ビンの方がお手軽且つ早く羽化させる事ができます。
目安としましては、だいたい23~25℃の温度管理にて10~12ヶ月程度で羽化致します。もちろん温度管理なしでも飼育は充分可能ではありますが、もう少し羽化までに時間は掛かります。温度管理が難しいかたは、常温でじっくり飼育でも全く問題はありません。

本土産ヒラタクワガタ幼虫画像

本土産ヒラタ幼虫

サナギになったら

菌糸ビンにて幼虫飼育を開始して後に、おそらく一度はくらいは菌糸ビンの交換が入ると思います。そうこうしているうちに、幼虫はサナギになります。蛹化が始まりますと、エサの消費スピードも遅くなり始めますので、何となくわかると思います。その状態になり始めましたら、むやみに取り出したりしようとせず、ビンを動かしたりせず、基本的には安静にしておきましょう。

羽化に成功したら

サナギの状態で1~2ヶ月もしますと、いよいよ羽化し始めます。感動の最終フィナーレです。羽化したての頃はあまり自力では動きませんし、エサも食べません。動かなかったり、ゼリーを食べないからといって全然心配はありません。できれば動きが活発になり始めてから、飼育ケースに移してあげましょう。あとは昆虫ゼリーを与えて飼育します。ゼリーも最初は食べませんが、時間が経過すれば食べ始めます。

さて最後になりますが、多くの記事にて書かせて頂いておりますが、大いなるクワガタ愛を持って大切に飼育してあげて下さい。

ヒラタクワガタのブリードに挑戦 まとめ

1 後食後3か月以上を成熟の目安とする(成熟しないと交尾しない)
2 産卵セットは黒土マットがオススメ(完熟マットでも可能)
3 産卵セットの温度管理は25~27℃が理想
4 割り出しは飼育ケースの側面・底面から幼虫が見え始めてからがベスト
5 幼虫飼育は菌糸ビン(EP1100がオススメ)がお手軽且つ、早めの羽化が期待できる
6 幼虫飼育期間は温度管理23~25℃で10~12ヶ月前後、常温の場合はそれ以上掛かる
7 サナギ期間は安静にしておき、羽化後もしばらくそのままにしておく
8 クワガタ愛を持って飼育する

この記事でご紹介したアイテム

月夜野きのこ園クワガタ菌床販売部にてご購入頂けます。
黒土マット
完熟マット
菌糸ビン
飼育ケースLサイズ
昆虫ゼリー
国産ヒラタクワガタ

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