今回は以前にも虫紹介記事にてご紹介を致しました、セアカフタマタクワガタの飼育方法です。フタマタクワガタの中でもメジャーな種類ですが、飼育方法はどんな感じが良いのでしょう。では早速まいりましょう!
セアカフタマタクワガタってどんなクワガタ
セアカフタマタクワガタの基本情報
セアカフタマタクワガタは、正式にはパリーフタマタクワガタといいまして、セアカフタマタクワガタは日本での俗称と思われます。フタマタクワガタとは、大アゴの先端が二股に分かれているため、そう呼ばれております。分類的には、クワガタムシ亜科のフタマタクワガタ属に分けられるようです。主に東南アジアに生息しており、日本には生息しておりません。大きい♂は90mmに迫るものもあり、比較的大きくなる種類ともいえます。セアカフタマタクワガタは列記としたフタマタクワガタ属ですが、昔はフタマタオオミヤマクワガタと呼ばれていた時期もあるらしく、古い図鑑にはそう記述されていた事もあるようです。
セアカフタマタクワガタの特徴
セアカフタマタクワガタの特徴としましてはやはり、渋カッコいい背中の色かと思います。まさにワイルド&ダンディです。セアカフタマタクワガタにつきましてはこちらの記事もご参照してみて下さい。
参考記事;セアカフタマタクワガタのご紹介:クワガタ界のブロンソン(男の世界)
その他には、フタマタクワガタ全般に言える事かもしれませんが、気性は荒い方だと言えます。そして大アゴの先端の二股、湾曲など、全体のシルエットもカッコいいです。
このクワガタは比較的に流通量も多いため、ブリードに挑戦された経験のある方も多いと予測されるクワガタです。
セアカフタマタクワガタってどんなクワガタ まとめ
1 パリーフタマタクワガタとも呼ばれる
2 飼育下のものでも♂は90mmになるものもある
3 主に東南アジアに生息している
4 ♂の気性は荒い
セアカフタマタクワガタに卵を産ませてみよう
成熟の確認
いよいよセアカフタマタクワガタの本格ブリードに挑戦します。まずは重要項目としまして、成虫の成熟の確認です。個体差などももちろんあるのでしょうが、ひとまずは後食開始後3カ月を目安としてみて下さい。セアカフタマタクワガタの♂は気性も荒いため、なるべく3カ月程度は見ておいた方が無難と思われます。
産卵セットの組み方
さて後食開始から3カ月が経過し、いよいよ産卵に挑戦します。フタマタクワガタは全般的に材産卵を行うものが多いです。今回のセアカフタマタクワガタも、材を使用しましての産卵セットとなります。ですがまず最初に同居生活のスタートです。SSサイズ位のあまり大きくない飼育ケースに、マットを浅めに敷いて昆虫ゼリーを置いておき成虫の♂♀を同居させます。そこで約1週間程度同居させます。確実に交尾を行ったか否かの確認はなかなか難しいですが、1週間経過した時点で♀が無事に生きておれば、まずは交尾済みと見なしても良いかと思います。そしていよいよ♀を産卵セットに入れます。
産卵セットはこのように作ります。飼育ケースLサイズの底面から5cm程マットを敷き詰めます。この時は固めにします。そうしましたら次に産卵材を2本ほどマットの上に置きます。材は事前に皮を剥いておき、軽く浸水し水分を含ませておきます。そうしましたら材の周りに軽くマットを入れます。この時はマットは軽めに入れ、材が埋まらないようにします。材がややむき出しになる感じとなります。そして昆虫ゼリーなどのエサを置いておけば完成です。マットは完熟マット・黒土マットがオススメです。このように、産卵材をマットで埋め尽くさず、やや材がむき出しになっているような産卵セットを月虫では転がし産卵と呼んでおります。
このようなイメージです。
この時に一点だけポイントがあります。転がし産卵を行う場合、時に産卵材にカビが生えてしまう事があります。それを防ぐためにあえて材の皮を剥かずにセットの中に入れるという方法です。自然界の樹木は基本的にはその樹皮は剥かれておりません。ですのでそれを踏まえまして、あえてそのままセットしてみるのも自然体かもしれません。
産卵・割り出し
産卵セットに♀を入れましてしばらくしましたら割り出しを行ってみます。ここでのポイントは割り出しのタイミングです。♀投入後1カ月半程経過してから割り出しを行うイメージでOKだとは思いますが、この1カ月半というのはあくまでも目安です。
と言いますのも、例えば国産オオクワガタの材産卵の場合ですと、♀は材をボロボロにします。材に潜ったりかじったりした結果そうなります。ですので材がボロボロになっている場合は産卵済と見なす事もできるわけです。
ですがセアカフタマタの場合、♀は材の表面をかじり、そこに卵を産みつけるため、材の見た目は産卵セット作成時とあまり変わりがありません。ですので時間の経過を目安に割り出しを行う事になるわけです。かじった跡や産卵痕が見当たらない場合などは、産卵を行っていない事も考えられます。その場合はもう一度同居生活からやり直しとなります。
その割り出しの方法ですが、マット産卵や菌床産卵の割り出しとは違い、慎重を期する作業となります。木の中にいる柔らかな幼虫を傷つけずに気を削ったり壊したりして割り出しを行う必要があるからです。一般的にはマイナスドライバーを使われる事が多いようですが、材がボロボロになっているわけではないため、フタマタ系のクワガタの割り出しに関しましてはナイフや小刀を使用して、薄く皮を剥いていくような方法もオススメです。もちろん小さな幼虫を傷つけてしまわないよう充分注意をして下さい。
セアカフタマタクワガタに卵を産ませてみよう まとめ
1 成熟は後食開始後3カ月を目安にする
2 ♀の産卵セット投入前に1週間程♂♀を同居させる(小さめの飼育ケース)
3 産卵セットは材を使用しての転がし産卵セット(完熟マット・黒土マットを使用)
4 産卵セット投入後1カ月半を目安に割り出しを行う
5 割り出しは慎重に行う
セアカフタマタクワガタを羽化させよう
幼虫飼育の開始
さて割り出しを行いましたら幼虫は個別にて飼育を行います。セアカフタマタクワガタは、基本的には多産ではありません。1本あたり15~16頭も産んでくれれば上出来だと思います。
幼虫飼育ですが、マットでも菌糸でも飼育は可能です。マットは完熟マットがオススメです。菌糸ビンはE-1100が良いと思います。
飼育期間のおおよその目安としましては、
マット飼育にて10~12ヶ月、菌糸飼育にて8~10カ月の飼育期間となります。もちろん管理温度や個体差によって期間は変動します。管理温度は23~25℃くらいが理想的です。あとはじっくり成長してくれるのを待ちます。
サナギになったら
幼虫飼育も終盤を迎え、幼虫のエサの食いが悪くなってきましたらサナギになる準備段階かもしれません。そうなりましたらむやみに動かさずに安静にして置いて下さい。羽化するまで気長に待ってあげましょう。
無事に羽化しましたら、クワガタ愛を持って大切に育てて下さい。
セアカフタマタクワガタを羽化させよう まとめ
1 幼虫飼育はマットでも菌糸でもOK
2 飼育期間は10~12ヶ月(菌糸飼育はこれより2ヶ月前後早くなる事もある)
3 管理温度は23~25℃が理想
この記事でご紹介したアイテム
月夜野きのこ園クワガタ菌床販売部にてご購入頂けます
>セアカフタマタクワガタ
>完熟マット
>黒土マット
>菌糸ビンE-1100
>昆虫ゼリー
>飼育ケースLサイズ
>飼育ケースSSサイズ