今回はカブトムシの子孫を残してみようというモチーフで、交尾と産卵についてです。
本格ブリードに挑戦したい方必見の記事を目指して書いてみます。
カブトムシの交尾
交尾をする時期とは
カブトムシやクワガタの交尾に置きまして、最も重要な項目の1つが成熟です。
成熟とは充分に交尾ができる状態まで成長したといったニュアンスです。
クワガタや外国産のカブトムシと比べまして国産のカブトムシの成熟期間は短いと思われます。寿命が短い事を考えますとそれもわかる気がします。具体的には昆虫ゼリーなどのエサを食べ始めてから2週間も経過すれば成熟していると見なしても問題ないかもしれません。
同居生活とは
カブトムシやクワガタの交尾は大まかに分けまして、同居させてカブトムシ自身にまかせるか、若しくは人間の手で交尾をさせるハンドペアリングかのどちらかです。
同居生活をさせるのがより自然に近い事は言うまでもないと思います。方法としましてはSサイズ程度の飼育ケースに薄めにハスクチップやホダオガなどを敷き、あとは昆虫ゼリーと転倒防止材を置いておく、こんな感じとなります。そして1週間程度同居させてから♀だけを取り出し産卵セットへと移動させる、こんな手順となります。確認事項としましては、1週間ほど経った頃♂♀仲良くエサを食べていれば交尾完了とみなしても良いと思います。もちろん手堅いのは交尾を目視できる事です。
ハンドペアリング
実際に自分で確認したい場合や、手っ取り早く交尾を済ませたい方はハンドペアリングをする事が多いです。♂を♀の背中に乗せて交尾をさせるやり方です。この方法でしっかりと交尾を確認できれば安心といえば安心です。交尾終了後に♂の生殖器(とても細い)から細くて赤茶色っぽい糸上のものが確認できればまず大丈夫かと予測されます。
交尾を嫌がる事はあるのか
同居生活中でもハンドペアリングであっても、当然カブトムシが交尾を嫌がる事はあります。そんな時にでもハンドペアリングを実行する場合はどうしたら良いのでしょうか。
まず♀が嫌がっている場合の方法としましては、まず♀の体の上に♂を乗っけます。そして♀が嫌がっている場合は前に進もうとしますので、♀の額の辺りを前から指で押し気味に押さえます。そうして交尾をさせます。
では♂にやる気がない場合はどうするのか。この場合は定石どおりに♂に♀の小循板の辺りの匂いをかがせます。やる気が出てきた場合、♂の触角がピピッと反応します。反応しない場合は次の手としまして今度は♀の額の辺りを指で軽くさすります。そうしますと♂は、♀がその気になっていると勘違いをして、自分もその気になる。こんな感じです。この場合もやる気になってくれば♂の触角はピピッと反応します。
月虫の見解ではオススメはやはり同居生活です。ハンドペアリングも手堅いのでしょうが、カブトムシ自身の体調ややる気、タイミング等はやはり人間ではわかりにくいため、同居生活をさせてカブトムシのタイミングで交尾を行う事が一番良いのではと思います。
交尾が無事に済んだら
交尾が無事に完了しましたら、♀にはしっかりと卵を産んでもらいたいので、まずは栄養をたっぷり与えてあげる事をお勧めします。この時の一番のオススメはやはりバナナです。この休養期間を2~3日取ってあげてから万全の態勢で産卵セットへと移します。この休養期間はしっかりと受精卵を作るための期間でもあります。
カブトムシの交尾 まとめ
1 カブトムシの成熟の目安は後食後1~2週間
2 成熟が確認できたら♂♀同居生活の開始
3 交尾を目視確認したい場合はハンドペアリング
4 交尾終了後は♀に2~3日の間栄養を摂らせる(オススメはバナナ)
カブトムシの交尾 予備情報
交尾は何度もするのか
カブトムシは何度も交尾をおこなうのでしょうか。確かな事はハッキリとはいえませんが、どうやら傾向としましては、複数回は行わないようです。というのも2回目以降はたとえ相手が違う♂だったとしても♀が嫌がる事が多いようです。これは飼育上での経験則ですので確定的な事ではありませんが、そういう事が多々見受けられるようです。ですので交尾は一発勝負を心がけているブリーダーさんもいるようです。
交尾の時間はどれくらいだろう
カブトムシはどれくらいの時間交尾をおこなっているのでしょうか。長い場合は1時間以上行っている事もあるようです。これは長い例ですが、平均的には10~30分程度だそうです。個体差もありますが、短い場合は5分程度で終了してしまう事もあるようです。あんまり短いと心配ですのでできれば30分程度はして欲しいところです。
ちなみにヘラクレスオオカブトなど海外の大きなカブトムシは24時間交尾を行っている事もあるようです。長いです(笑)
交尾の時に音がする?
交尾のときに音はするのかといった疑問もあるようです。答えは、ほぼ毎回します。余り大きな音ではありませんが、バキバキッという感じの音です。
カブトムシの生殖器は細く且つ先端が平べったくなっております。その生殖器も甲虫らしく、決して柔らかいものではありません。♀の生殖器も小さいため交尾を行う時に音がするようです。ですが通常であれば音がしたといっても特に問題はありません。
交尾で死ぬ?
交尾が原因で成虫が死んでしまう事はあるのでしょうか。交尾を行いますと、確かに成虫の寿命は短くなります。ですがそれは交尾後すぐに死んでしまう訳ではありません。実際のところはどうなんでしょうか。交尾そのものが原因で死んでしまう事は基本的にはないと思います。ですが1点、やばいパターンがあります。
それは交尾終了後の生殖器を抜き取る時におこります。♀の体から♂が生殖器を抜き取る際に♀の生殖器から、♂の生殖器と一緒に体の一部が出てきてしまう事があるのです。これは危険です。はからずともこうなってしまった場合は死んでしまう確立は高いです。
♂の場合も同様です。生殖器を♀の生殖器から取り出す際に、♂の生殖器が自分の身体から取れてしまう事があるのです。この場合もその♂は死んでしまう事が多いようです。こういう事が起きてしまった場合は残念ですがあきらめるしか今のところないようです。
カブトムシの交尾 予備情報 まとめ
1 国産のカブトムシの交尾時間は5分~1時間程度 30分以上行ってくれる事が理想
2 交尾のときにはほぼ毎回バキバキといった音がする
3 交尾後に♀の体の一部が取れたり、♂の生殖器が取れてしまったりするとその個体は死んでしまう事も多い
カブトムシの産卵
産卵をする時期
国産カブトムシの産卵時期にですが、野外のカブトムシはだいたい6月~7月頃に活動を開始しますので、だいたいその時期からしばらく経過した頃には産卵も行われているのではと予測されます。では飼育下のカブトムシはどうでしょうか。羽化したタイミングにもよりますが、羽化をして、しばらく経って昆虫ゼリー等を食べ始め、交尾を行い、そして産卵を行うわけですので、だいたい7月中または8月上旬までには産卵をさせる事はできると思います。ですが産卵に関しましては、時期というよりも羽化をしてからどれくらいで、といった発想になるのかなと思います。羽化が早ければ産卵も早く、羽化が遅ければ産卵も遅い、こういう事だと思います。
産卵セットの作り方
上記のバナーの「カブトムシ専用:産卵チャレンジset」はカブトムシの産卵に必要な本格的な用品が全部そろったセットです。お手軽でありながら本格的なセットですので、色々揃えるのが面倒だという方にはオススメです。
下記は月夜野きのこ園の飼育担当:Shihoによる産卵セットの解説動画です。
自分で作りたい!という方も国産カブトムシの場合はオーソドックスな産卵セットでOKです。詳しくは別の記事でもご紹介しておりますのでそちらも参照してみて下さい。
参考記事;カブトムシの育て方!『1年間の飼育スケジュール』を覚えておこう!
産卵セット(画像はヘラクレスのメス)
産卵回数はどれくらいか
カブトムシは何回くらい産卵を行うのでしょうか。実はカブトムシは体内に有精卵を蓄えた状態の場合、ほぼ毎日のように産卵を行っているのでは、と予測されます。1日に1個~2個、毎日のようにマットに潜って産卵を行っているという事です。決して一度に大量の卵を産むのではなく毎日コツコツ行っているわけです。1週間~10日の間隔で採卵を行えば、そのつど20個程度の卵が採れると思います。その場合はもちろんそのつど産卵セットを作りなおす必要性は出てきます。
卵をどれくらい産むのか
カブトムシは一体どれほどの卵を産むのでしょうか。その総数はどれくらいになるのでしょう。仮に毎日コツコツ1個~2個ずつ卵を産んで言った場合、掛ける日数でその総数がわかります。産卵をどのタイミングせ止めさせるかの、飼い主様のさじ加減で決まる部分もあります。結論的に言いますと、カブトムシの♀は死ぬまで産み続ける傾向があるようです。そしてその総数は100個程度は産む事が多いようです。もちろん産み続ければ体力を消耗し早死にを促す結果にはなります。ですので小まめに採卵を行い、ある程度の卵が確認できた段階で♀を産卵セットから取り出し、余生をのんびりと過ごさせてあげるのも、ひとつの楽しみ方かもしれません。
孵化率が高いのはこのように白くてまん丸
孵化率が悪いのはこのように茶色っぽくてやや歪んでいる
カブトムシの産卵 まとめ
1 産卵時期は羽化した時期により異なる
2 カブトムシは毎日コツコツ1個~2個、産卵を行っていると予測される
3 総数では100個ほど産む事が多い
4 長きにわたり産卵をさせると寿命を縮める事になる
この記事でご紹介したアイテム
月夜野きのこ園クワガタ菌床販売部にてご購入頂けます。
>国産カブトムシ
>完熟マット(産卵セット用)
>きのこマット(幼虫飼育用)
>昆虫ゼリー
>暴れん棒(転倒防止材)
>ヘラクレスオオカブト