アルキデスヒラタクワガタってどんなクワガタ
アルキデスヒラタクワガタの基本情報
アルキデスヒラタクワガタは東南アジアのスマトラ島に生息しているヒラタクワガタです。野外では熱帯雨林の標高の高い山に生息しているようで、同じく東南アジアに生息しているクワガタでもスマトラヒラタクワガタやパラワンオオヒラタクワガタのようなオオヒラタ系のクワガタとは種類は微妙に異なります。ですが体が大きい事や挟む力が強い事など、他のヒラタクワガタと同様の特色があります。
アルキデスヒラタクワガタの特徴
アルキデスヒラタクワガタの特徴としましては先述しました通り、体も大きく挟む力が強いという特徴が挙げられます。ですが特筆事項としましては、その胸板の厚さと言えるでしょう。胸の横幅は最大で40mmに達する事もあるようで、まさにクワガタ界のマッチョマンと言えます。もう1点は、多型現象と言われております大アゴの変異です。体の大きさによって大アゴの形状が変異するというのは一般的な事ではありますが、本種に関しましては、体の大きさは全く同じであっても、長歯・中歯・短歯と3段階に形状が分かれます。たとえ90mm以上の大きさであったとしましても短歯になる事はあるため、そういった意味では実に興味深い事だと思われます。
アルキデスヒラタクワガタってどんなクワガタ まとめ
1 スマトラ島に生息している
2 体は大きく気性は荒く挟む力も強い
3 胸板が厚い
4 体長にあまり左右されずに、短歯・中歯・長歯になる事がある
アルキデスヒラタクワガタに卵を産ませてみよう
成熟の確認
では早速アルキデスヒラタクワガタの子孫を残す方法をご説明致します。この種に関しましては同居でのペアリングがお勧めですが、まずは成熟の確認が必要となります。野外採集のものでしたら、♀のみでも産卵は可能かと思われますが、飼育下のものは成熟の確認が必要となります。その成熟期間ですが、昆虫ゼリーなどを食べ始めて(後食開始)から最低でも3か月は様子を見たいところです。成虫寿命も1年前後ある事を考えますと3か月はじっくり様子を見まして、満を持して同居をさせます。成熟期間が不十分ですと、同居時に♂が♀を挟み殺してしまうケースも懸念されますので、ヒラタクワガタの多くは、飼育時のポイントとしまして成熟期間という項目は最重要とも言えます。尚、念には念を入れて同居時やハンドペアリング時に♂の大アゴを縛ってしまう飼育者の方もいらっしゃいます。♀が攻撃をされないための配慮のためです。同居期間は2週間も見ておけばOKかと思われます。
産卵セットの組み方
アルキデスヒラタクワガタの産卵ですが、マット産卵、材産卵どちらでも産卵可能です。ここではよりお手軽なマット産卵のご説明を致します。作り方は以下の通りです。
1 飼育ケースLまたはMサイズを準備する
2 黒土マットまたは完熟マットを飼育ケースの7分目まで詰める
3 詰めたマットを固める(手で上から押し込むなど)
4 2と同じマットをその上からに2~3cmほど入れる(固めない)
5 転倒防止剤と昆虫ゼリーを入れる(昆虫ゼリーは多めでも可)
このようになります。
産卵セットに♀を入れましたら、1か月半~2か月程様子を見ます。その間は昆虫ゼリーを絶やさず、やや低温(20℃~23℃)で管理を行います。
ちなみに材産卵に関しましてはやや太めで柔らかめの材を使用しますとよく産んでくれる傾向があるようです。このことに関しまして現在のところ実績ベースです。
産卵セットの作り方は別の記事でももご紹介しておりますので是非ともそちらも参考にしてみて下さい。
参考記事;カブトムシとクワガタの産卵セットの作り方!わかりやすくご紹介します。
産卵・割り出し
産卵セットに♀を投入後、1か月半~2か月もすれば割り出しを行っても良いと考えられます。マット産卵の場合ですと、この頃には飼育ケースの側面に小さな幼虫が幾つか見え始めていると予測されます。もしこの時に全く幼虫の姿が見えなかったりしましたら、産卵していない事や、まだ産んだばかりで卵の状態である事も考えられますので、もう少し様子を見てみましょう。それでも幼虫が見えてこない場合は産卵はしていないとみなし同居生活からやり直してみることをお勧めします。材産卵のセットも同様で2か月経過しても材が産卵セット作成時と変わらない状態であれば産卵していない可能性を疑ってみる必要があるかと思われます。
※画像は別種です
割り出しを行いましたら、取り出した幼虫や卵は個別にて管理を行います。プリンカップに産卵に使用したものと同じ種類の新しいマットを入れてその中で管理を行います。
アルキデスヒラタクワガタに卵を産ませてみよう まとめ
1 成熟期間は後食開始後3か月
2 産卵はマット産卵でも材産卵でも可能
3 マットは黒土マットまたは完熟マット
4 産卵時の管理温度は20℃から23℃がお勧め
アルキデスヒラタクワガタを羽化させよう
幼虫飼育の開始
ではいよいよ幼虫飼育の開始です。この種の場合ですとマット飼育でも菌糸飼育でもどちらでも可能です。マット飼育の場合ですと、きのこマットがお勧めとなります。管理温度は産卵同様やや低めで、20℃から25℃あたりが丁度良いと思います。温度の高すぎ(27℃以上)や低すぎ(15℃以下)には充分注意が必要です。この種は東南アジアのヒラタクワガタの中でもやや標高の高い地域に生息しているため、ほかの種(パラワンオオヒラタクワガタなど)に比べますとやや寒さには耐性があると思われます。
菌糸ビンでの飼育ではエレメントでもベーシックでも問題なく飼育ができます。より大型を目指したい場合は最初の段階から1100サイズを使用し2本目に1400サイズとやや大きめなサイズを使ってみるのも良いと思います。本種はマット飼育であれ、菌糸飼育であれ約12か月近くの幼虫飼育期間が予測されます。管理温度や♂♀での期間の差異は出ますが、この期間に成虫サイズが決まってきますのでじっくり育てていきたいところではあります。
ちなみに本種に関して言うなれば、前項でもご紹介致しましたが、短歯・中歯・長歯と大アゴの形状が変わります。大アゴの多型現象と言われるものです。一説には幼虫飼育時の管理温度が影響するですとか、サナギの時の湿度などが関係しているのではとも言われているようです。これらの事は実際のところ定かではありませんが、幼虫飼育時に幾つかの環境パターンで飼育を行い、そのあたりを検証してみることも大変興味深いのではと思います。とりわけ飼育下のアルキデスヒラタでは短歯や中歯が出やすい傾向もあるようですので、長歯の羽化に挑戦してみるのも良いかもしれまえん。
サナギになったら
幼虫飼育を開始しまして10か月もしますとやがてサナギになります。幼虫の動きが少なくなってきたり、菌糸やマットの減りが少なくなってきましたら蛹化が始まっているかもしれません。色もやや黄色っぽく変わっていきます。そうなってきましたらあまり無理には動かさず安静にしておいてください。残りあとわずかで羽化してくれると思います。
本種はパラワンオオヒラタ、スマトラオオヒラタと並んで3大ケンカ番長と言っても過言ではありません。ひょっとするとこの分厚い胸板を考えますと、挟む力はクワガタ界でも最強なのではとも感じてしまいます。
このド迫力なクワガタ、もちろん最後までクワガタ愛を持って飼育を行ってください。
アルキデスヒラタクワガタを羽化させよう まとめ
1 飼育はマットでも菌糸でもOK
2 温度管理は20℃~25℃が理想
3 歯型の変異を飼育環境を変えて調べてみるのも興味深い
この記事でご紹介したアイテム
月夜野きのこ園クワガタ菌床販売部にてご購入頂けます。
>黒土マット
>完熟マット
>きのこマット
>クリアボトル
>菌糸ビン
>昆虫ゼリー
>飼育ケース
>アルキデスヒラタクワガタ