コクワガタの飼育【基礎編】飼育からブリードに挑戦してみよう!

クワガタ飼育

今回はコクワガタの飼育についてです。
コクワガタといえば皆さん、何だかんだいっても
日常において最も見る機会が多いクワガタなんじゃないでしょうか。
今回はそんな身近なクワガタ、コクワガタの飼育についてです。

コクワガタの基本情報

コクワガタってどんなクワガタ

コクワガタとは、その名前でいいますと
「小さいクワガタムシ」という意味での和名です。
その名の通り、国内に生息するクワガタの中では決して大きい種類ではありません。
(コクワガタより小さいクワガタもいます)
生息地域はほぼ日本全土で、比較的至る所で目にする事ができます。
また飛翔性も高く、地方では網戸にたかっている光景などもよく見られます。
とある昆虫の専門家の方から以前聞いた事のある話では、
コクワガタは戦闘を好まずに逃げの一手で生き延び、
結果、多くの地域で生息が可能なのだという説もあるようです。
日本の南方の島には、その島の名前のついた亜種も生息しております。

◆コクワガタ成虫

コクワガタ 成虫

コクワガタの特徴

色は黒いものが多く、体は比較的にスリムです。この比較的というのは、
同じドルクス属のオオクワガタやヒラタクワガタなどに比べた場合の事です。
その寿命ですが、ドルクス属という事もあり越冬もしますので、
長ければ3年くらい生きる場合もあるようです。
オオクワガタやヒラタクワガタ等と比べて特徴的なのが大アゴの形状で、
前者は丸みがあるのに対し、コクワガタはどちらかというと直線的に伸びている事です。
全体感でいいますと体のバランスは良く、大きくない点を除けば
そのディテールはとてもカッコいいクワガタです。

コクワガタの基本情報 まとめ

1 名前の由来は小さいクワガタ(和名)
2 ほぼ日本全土で生息している
3 黒い色のものが多く、ドルクス属のなかではスリムな体型をしている
4 大アゴはやや直線的に伸びている
5 3年くらい生きる事もある

コクワガタのブリードに挑戦

さていよいよ本格的なブリード開始となります。産卵から羽化までの流れでご説明します。

♀に卵を産ませてみよう!産卵セットの組み方

オオクワガタ専用:産卵チャレンジセット(コクワガタ産卵セット)
《よりお手軽に産卵体験をしたい場合には上記セットがオススメです。オオクワガタ用ですが、コクワガタも産卵します。》

産卵セットの前に成虫についてですが、コクワガタという事で、比較的に野外採集の成虫なども手に入り易い種類ですので、もしかしますと皆さまの中には、野外で手に入れた成虫をお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんので、その辺のご説明から入ります。
別の記事でも書きましたが、
参考記事ノコギリクワガタの飼育【基礎編】飼育からブリードに挑戦してみよう!
野外採集のコクワガタの♀はノコギリクワガタの♀同様に、
そのまま産卵セットにて卵を産ます事も可能です。

◆コクワガタ♀

コクワガタ ♀

飼育下の成虫ペアをお持ちの方は、同居生活を経てからの産卵セットとなります。この場合も他のクワガタ同様に、成熟ができているかどうかを確認してからの同居となります。成熟したか否かの目安は、後食(ゼリー等のエサを食べ始める)を開始してから3カ月以上が経過しているかどうかの確認で良いと思います。

・・・・・野外採集の♀をお持ちの方・・・・・

いきなり産卵セットに入れてもOKです。産卵セットは以下の通りです。

クリーンケースMLサイズを使用します。
完熟マットをケースの底面に固く敷き詰めます。※手でギュウギュウ押しつけます。
産卵材を2本入れます。※産卵用の木です。
④材の上部が少ししか見えない程度にマットを入れます。※固める
昆虫ゼリーや転倒防止材を入れる

産卵セットに使用する物
産卵セット使用するもの

マットを敷いて固く詰める
上からマットを押し詰める

産卵材の表面の皮をむきます。
産卵材加工1

産卵材を水につけて加水します。(10秒程度)
産卵材加工2

軽く日陰干しをします。
産卵木の日陰干し

産卵材を入れる
材産卵セット

隙間にマットを敷きつめる(固く詰める)
材産卵セット

産卵材が隠れるまでマットをふんわりかぶせて、転倒防止材とゼリーを入れる
転倒防止材とゼリーを入れる

コクワガタの産卵セットのポイントは産卵材を使用する事です。一般的にはコクワガタは材に産卵すると言われており、飼育下でもそれが普通となっております。お手軽に産卵をさせたい場合には菌床ブロックがオススメです。

オオクワガタ専用:産卵チャレンジセット(コクワガタ産卵セット)
よりお手軽に産卵体験をしたい場合には上記セットがオススメです。オオクワガタ用ですが、コクワガタも産卵します。

 

・・・・・飼育下の♂♀成虫をお持ちの方・・・・・

♂♀ともに成熟しきっているかを確認します。次に♂♀を同居させます。同居させるセットは飼育ケースSサイズに底面から2~3cmほどのハスクチップを敷き、昆虫ゼリーを入れておきます。これでOKです。この同居部屋にて4~5日間同居させたら、♀を取り出し、産卵セットへと移します。♂は同居部屋にそのまま独り生活でもOKです(笑)
産卵セットは上記でご説明しました通りです。

温度は野外採集ものであり飼育下のものであり25℃~28℃くらいで管理します。
♀を産卵セットに投入後1ヶ月もすれば、♀はセットから取り除いてもOKです。
それ以外の目安としましては、♀が外から見えない時間が多くなってきた場合も、
産卵を行っている可能性大です。尚、稀に♀が産まれてきたばかりの幼虫を食べてしまう事もありますので♀の長居はあまりオススメではありません。

割り出しと幼虫飼育の開始

無事に産卵が完了したかどうかを実際に中身を調べる事を割り出しといいます。
割り出しを行い幼虫を取り出して個別飼育を開始します。
割り出しを行う時の目安としましては、材の朽ち具合で判断します。材がボロボロになっていれば幼虫が採れる可能性が高いので割り出しを行っても大丈夫ですが、まだ材の中に卵の状態のものもある可能性もありますので、その場合は取り扱いには充分注意をして下さい。

割り出しのやり方ですが、大きめのタライやシートなどの上にケース内のマットや産卵材を撒けます。そして中にいる幼虫や、時に卵などを拾い集めます。
見つけた幼虫たちは個別にて飼育をします。もし割り出し時に産卵材の中に卵があった場合は撒けたマットの中にもう一度戻して孵化してから飼育を開始しましょう。
産卵材の割り出しの時に、手で割る事が難しい場合はマイナスドライバー等を使って材を崩していく方も多いです。その時の注意点としましてはもちろん、幼虫を傷付けない事です。

割り出しの様子

割り出しの様子

産卵材から幼虫が見えています

コクワガタ幼虫 材

割り出した幼虫の個別飼育ですが、最初はプリンカップでの飼育で充分OKです。
ですが、手間のかからない飼育方法としましては、割り出し後いきなり菌糸ビンに投入する方法です。オススメはEP800です。
いきなり菌糸ビンに投入する場合の幼虫は、上記の割り出し時にすでに幼虫になっていたものです。割り出し時にまだ卵の状態で、やっと孵化したようなごく小さな幼虫には、菌糸はなるべく使用しないでください。孵化したての幼虫は産卵に使用したマットにてしばらく飼育を行い、ある程度の大きさ(3cm程度)になりましたら菌糸にて飼育をします。

※このくらいの大きさであればいきなり菌糸ビンでもOK

コクワガタ幼虫 マット

コクワガタ幼虫 アップ

コクワガタの場合ですとEP800にて羽化まで充分いけると思います。温度はだいたい23~25℃程度です。この温度帯で飼育を行いますと、約8カ月~10カ月程度で羽化します。もちろん温度管理なしの常温飼育も可能ですが、羽化までの期間はこれ以上に長くなります。温度は30℃以上の高温やマイアナス温度等を避けて頂ければ特に大きな問題はないと思います。

菌糸ビン

菌糸ビン

サナギになったら

幼虫飼育を行って数カ月、やがてサナギになる時が来ます。ビンの側面からその様子が見れる時もあります。サナギになる時は普段と比べて幼虫のエサを食べるスピードが落ちてきます。菌糸の減り具合が落ちてきましたら、もうそろそろかなと思っても良いと思います。サナギになり始めましたらなるべく安静にしておきましょう。むやみに動かしたり、幼虫を掘り出したりする事はやめましょう。

羽化に成功したら

飼育温度にもよりますが、サナギ期間が約1カ月~2ヶ月あります。その期間を経ますと羽化して成虫になります。成虫になってもしばらくはほとんど動きませんし、エサも食べません。ですのでその期間はそっとしておいてあげましょう。自力で外に出ようとしたり、活発に動き始めてから飼育ケースに移してあげます。飼育ケースは単に観賞用でしたら、
SSサイズやSサイズでも充分です。育て上げたクワガタはクワガタ愛を持って大切に飼育してあげて下さい。

コクワガタのブリードに挑戦 まとめ

1 野外採集の♀はすぐに産卵セットに入れてもOK
2 飼育下の成虫は成熟したかどうかを確認して同居
3 産卵には産卵材を使用する
4 幼虫飼育の理想管理温度は23℃~25℃、常温飼育も可能
5 クワガタ愛を持って育てる

この記事でご紹介したアイテム

月夜野きのこ園クワガタ菌床販売部にてご購入頂けます。
完熟マット
ベイシック200
EP800
昆虫ゼリー
暴れん棒
飼育ケースMサイズ
飼育ケースSサイズ
飼育ケースSSサイズ
国産オオクワガタ
国産ノコギリクワガタ
国産ヒラタクワガタ

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