ノコギリクワガタの採集について
今回はノコギリクワガタの採集です。コクワガタ同様に比較的なじみの深いクワガタだと思います。大きいものは70mを超えるものもあります。湾曲のしっかりある大きな個体をゲットできるでしょうか!さぁ参りましょう!
ノコギリクワガタはどこにいるのか
まず最初にノコギリクワガタはどこにいるのか?という事から始めます。
野外ではあまり高さのない平地よりの雑木林に多く見られます。高所でも見る事はできるのですが、傾向としましては平地が多いです。その中のクヌギ、ニレ、ヤナギ、ナラ、タブ木などにいる事が多いです。そして近くに川、小川といった水が流れているような所で、より多く見つける事ができます。ノコギリクワガタは日本各地に生息しておりますので、コクワガタ同様に比較的に採集しやすい種類だと思います。
水辺の雑木林のイメージ(もちろん普通の雑木林にもいます)
ノコギリクワガタはいつ頃出てくるのか
ではノコギリクワガタは何月頃から野外に出てくるのでしょう。地域によって差はありますが、だいたい5月下旬から9月下旬頃まで野外で見る事ができます。そのうちもっとも多く見られるのは、6月~7月中旬頃です。ですが、クワガタ全般について言える事かもしれませんが、早い時期に見つける事ができる個体は小さめのものが多いです。小さい個体の方が早めに野外に出てくる傾向があるようです。ちなみに基礎知識ですが、ノコギリクワガタの♂は、個体差によって大アゴの形状が異なります。大きな個体は大アゴの湾曲が特徴です。
小型の♂です。湾曲はあまりない
野性のノコギリクワガタの特性
最後にその特性をご紹介します。
①飛翔性が高い
クワガタの中でもノコギリクワガタは飛翔性が高いほうです。特に♀や小型の♂ほどよく飛びます。
②燈火によりつく
飛翔性の高さに起因するのでしょうけれど、燈火によく集まります。ですので採集方法としましても、燈火採集も有効な手段となります。
③昼間に活動する事が多い
カブトムシ等と違い昼間でもよく見かけます。結果として、山や森などでの採集は日中の採集がオススメとなります。
④木のウロや樹皮裏などにはあまり隠れない
コクワガタなどは隠れている事も多いですが、ノコギリは木の表面にいたり、枝につかまっていたりします。隠れるとしますと葉の裏などが多いです。
以上のようなものが特性として挙げられます。この特性を知った上で採集に挑戦してみましょう!
葉の影に隠れるノコギリクワガタ
ノコギリクワガタの採集について まとめ
1 ノコギリクワガタは水辺の近くの雑木林に多くいる
2 高い山よりは低い山に多くいる傾向あり
3 野外に出ているのは5月下旬から9月下旬(地域差あり)
4 採集には6月~7月がベスト
5 昼間に活動する傾向があり、夜間は燈火にも多く寄ってくる
ノコギリクワガタの採集に挑戦
いよいよさぁ採集についてです。どんな方法があるのでしょう。色々とご紹介致します。
燈火採集のやり方
おなじみ燈火採集です。ノコギリクワガタはクワガタの中でも飛翔性が高い種類です。夜間はよく燈火に飛んできます。そこを狙って採集してみましょう。
街中でも自販機の灯りや、時に部屋の明かりにも寄ってきます。部屋の網戸などにノコギリクワガタの♀がついていた、なんて経験をお持ちのかたもいらっしゃるかと思います。
街中以外では、山や森の近くの公園や、パーキングエリアの街灯などが狙い目となります。以前はコインランドリー内の天井の照明付近を飛んでいるノコギリクワガタの♂を捕まえた事もありました(笑)
自販機ももちろん狙い目です。
ルッキング採集のやり方
ルッキング採集は雑木林などで、実際に目で見て採集するやり方です。クワガタ・カブトを採集する時の基本的なやり方の1つです。
ノコギリクワガタのルッキング採集をするにあたってのおすすめの時間帯ですが、
早朝からお昼のあいだくらいです。ノコギリクワガタは日中も活発に動きますので、早朝から出かけてみましょう。
ノコギリクワガタは先述のとおり、あまり隠れていません。木の枝につかまっていたり、木の表面にいる事も多々あります。発見して手で捕まえる事ができそうな場合は、そのまま捕まえます。捕まえようとした瞬間にわざと木から落っこちる事もありますので、その点を注意しながら捕獲してみて下さい。
木の枝にいる事も多い
ノコギリクワガタ採集に関しましては、最も有効な採集方法は蹴り採集です。木のウロや樹皮裏などに隠れているクワガタは蹴っても落ちてはきませんが、ノコギリのように表にいる事が多いクワガタには実に有効なわけです。蹴りはもちろん一撃必殺で、1発目で落っことすつもりで蹴って下さい。2発目以降はクワガタも警戒し必死にしがみつくので、なかなか落ちてきません。特にノコギリクワガタは手足が長めなのでしがみつく力は強いのです。落ちてきたクワガタは見失わないように目と耳でよく確認をしながら行います。自信のない方は、木の根元にシートや布を敷いて置いたりするのも手の一つです。うまくいきますと、♂♀ペアで落ちてくる事もあります。
ペアでいる事も多い
ちなみに大きなノコギリクワガタをゲットしたい場合は、もっぱらルッキング採集が有効です。この場合は蹴り採集も含みます。先述のとおり燈火採集では、より飛翔性の高い♀や小型の♂が多く集まるため、あまり大型は期待できないからです。
せっかく野外採集に出掛けたからには是非とも大型個体を狙いたいところです。
ちなみに夜間採集ですが、あまりオススメではありません。というか難しいです。目視確認をしずらい事と、蹴ったあとの個体を見つける事も困難だからです。早朝からお昼頃までというのはそういう理由です。せっかく日中に活動しているクワガタですから、明るいうちに行ってみましょう。
トラップ採集のやり方
トラップ採集ですが、今回はいつもとちょっと変わったトラップ採集をご紹介致します。
♀トラップです。やり方は簡単で、まずは自力でクワガタの♀を採集します。
その♀の後ろ足の根元のあたりを糸のようなもので結び、枝などにしばりつけます。
そしてその♀をトラップとして♂をおびき寄せるわけです。このやり方はノコギリクワガタだけでなく他のクワガタやカブトムシにも有効です。このやり方はトラップを早朝に仕掛けお昼頃に見に行ってみる、とこんな感じです。もちろんオーソドックスなトラップ採集にチャレンジしてみる事も良いと思います。
ノコギリクワガタの♀
採集名人Shihoさんと行くクワガタ採集記
蹴り(叩き)採集の様子がわかる動画です。ミヤマクワガタが主の動画ですがノコギリクワガタも同様の方法で採集できます。
こちらは採集前日に雨が降り、蹴り採集には不利なコンディションの中、Shihoさんが叩きのテクニックを見せてくれます。
■採集名人Shiho
月夜野きのこ園のブリード担当。月夜野きのこ園の飼育日記を担当し、13年にわたり書いた記事は1100記事をこえる。飼育実積のある種類は200種以上。ブリードだけでなく、野外採集も得意分野。趣味は素潜り。野ウサギを捕まえて食べた事も・・・
■月夜野きのこ園飼育日記 https://www.tsukiyono.co.jp/stag2/diary/
ノコギリクワガタの採集に挑戦 まとめ
1 燈火採集は自販機、街灯を狙う
2 ルッキング採集のオススメ時間は早朝からお昼頃
3 ルッキング採集では特に蹴り採集が有効
4 大型個体は野外採集で採れる事が多い
5 ♀トラップ採集も可能
採集に関するその他あれこれ
野外採集に不向きな条件とは
野外採集に不向きな条件は幾つかありまして、他のクワガタやカブトムシと同様ですが、こんな感じです。
①強風の日 ②雨の日
理由は他と同様で、風の強い日や雨の日はクワガタは活動を控え、且つ雨の日は蹴り採集にも不向きで、蹴った後雨粒が落ちてきますので、クワガタが落ちてきた音もかき消され、何だかわからなくなってしまいます。
もちろん安全面でも足元がぬかるんでいるため滑り易いという事も挙げられます。
野外採集時の注意点
採集をするうえでの注意点ですが、採集に関しましてはノコギリクワガタの場合は蹴り採集がメインとなってきますが、蹴って足を痛めない(笑)。基本ですね。手で捕まえる時も、なにぶんすばしっこいクワガタですので、すぐ木の下に落ちようとします。捕まえる方の手でない方の手で、狙ったクワガタの下に受け皿などを作っておくのも有効だと思います。
安全面ではやはり転んで怪我をしたりしない事です。
その他はスズメバチやヘビなどの生き物です。
野外採集に際しましては充分注意をして下さい。
野外採集はモラルを守って行って下さい。くれぐれも他人様のご迷惑にならないようお願い致します。自然環境を汚染するような行為も控えて下さい。宜しくお願い致します。
採集に成功したら
ノコギリクワガタの採集に成功しましたら、クワガタ愛を持って大切に育ててあげて下さい。ノコギリクワガタは国産の主要のクワガタの中でも、比較的に活動開始後の寿命が短いクワガタです。観賞するにしてもより貴重な時間となります。
そのノコギリクワガタたちの子孫を残す方法などもありますので、詳しくは別の記事にも書いておりますので参照してみて下さい。
参考記事;ノコギリクワガタの飼育【基礎編】飼育からブリードに挑戦してみよう!
野外で採集したメスは産卵セットに入れるだけで卵を産んでくれます。産卵させたい方はこちらの産卵セットがお勧めです。
↓カブトムシ専用とありますが、ノコギクワガタの産卵にも威力を発揮します。
採集に関するその他あれこれ まとめ
1 蹴りで足を痛めない
2 採り逃しに注意
3 転んで怪我をしない
4 スズメバチやヘビにも注意
5 モラルを守って採集を行う
6 クワガタ愛を持って大切に育てる
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